「放課後ティータイムII」を聴いた。その3

前回レビューの続き。

「ごはんはおかず」

  • シングル発売時に感想を書いているので、CassetteMixを中心に気がついたことなどを。
  • この曲は唯の作詞(と憂の補作)曲ということになるが、澪作詞の「カレーのちライス」がなければ生まれなかったんじゃないか?このアルバムを聴いて強く感じるのは、メンバー間の相互作用。
  • 昔やってたバンドで、ベースの子が書いてきたのが「おとうふのうた」。個性が強くないからどんな料理にも合う!って詞で、唯とだいたい似たようなセンスである。ガールズバンドはこういうのがいいんだ。
  • CessetteMixではラス前の収録曲。曲調のせいもあるけれど、梓の演奏が心なしかいつもより前のめりな気がする。弾きまくり。
  • それと反対に、律のドラムがStudioMixより繊細だったり。Aメロ「ホカホカ」「これこれ」あたりのハイハットワークはしびれる。*1
  • 「ホカホカ」「これこれ」のムギのキーボードは、3話の「キーボードがしゃべってる!」を拾ったものですね。音楽的にはStudioMixもよいけれど、本編との結びつきという意味でこっちのアレンジが好み。
  • 繰り返しになるが、ギターソロはセックス・ピストルズの「アナーキー・イン・ザ・UK」からインスパイアされたもの。梓は1期9話でニルヴァーナっぽいのを弾いてたし、知っててパンキッシュな曲に合わせて引っ張ってきたと予想。澪:「梓ー、そのソロのフレーズあれっぽいな…その…セ、セッ(赤面)」梓「?…ピストルズですね」みたいなやりとりを想像すると楽しさが増すでしょう。


「ときめきシュガー」

  • まず、7話「お茶会」で笑った人、ドン引きした人はあやまらなければいけませんね。ごめんなさい。名曲です。(でも和三盆とマヌカハニーはなしだと思います。)
  • 食べ物(特に甘いもの)を性的なメタファーとして使うのはブルースの時代から続く王道パターン。澪本人は気づいていなさそうだけれど、そこはかとなくエロティックな詞になっているところがポップミュージックへの愛情を感じるところ。「味見したくなったら言ってね」とかいわれると「カラメル」が「絡める」に聴こえてくる。(「カレーのちライス」はもっとすごいけど)*2
  • 以前に比べたらずいぶんポジティブになったものの、最後の一歩を踏み出せずにいるところは「いちごパフェ」「Honey sweet〜」を除く澪作詞曲に共通しているところ。あの「独特なセンス」だけが澪の詞の特徴ではない。
  • AメロBメロはそれぞれ同じモチーフの繰り返しなので、ブルース系ロックというか洋楽の匂い。サビのポップさが際立つ。
  • CassetteMixのAメロバックはブリブリに歪んだベースにダウンピッキングのギターリフ、律のドラムも合わせてスリーピースのメロコアバンドみたいだ。今回Aメロで梓とムギが休んで徐々に盛り上げていくパターンが多い。HTTの王道として確立したということか。
  • この曲だけはどうしても中の人が気になるというか…そんなにしゅが(佐藤聡美)が好きか日笠陽子!?

続きは、また。

*1:放課後ティータイム・作詞:平沢唯『ごはんはおかず』ポニーキャニオン 2010年 より引用

*2:放課後ティータイム・作詞:稲葉エミ『ときめきシュガー』ポニーキャニオン 2010年 より引用