鴻海、シャープ7000人削減へ リストラ策を加速

モニター中継で報道陣に公開された株主総会でシャープ買収の意義を強調する鴻海精密工業の郭台銘会長=22日、台湾・新北市(石川有紀撮影)
モニター中継で報道陣に公開された株主総会でシャープ買収の意義を強調する鴻海精密工業の郭台銘会長=22日、台湾・新北市(石川有紀撮影)

 【新北(台湾)=石川有紀】経営再建中のシャープを買収する台湾の鴻海精密工業は22日、台湾北部の新北市の本社で株主総会を開いた。シャープの次期社長に内定している戴正呉グループ副総裁は、全世界で7千人規模の人員を削減する可能性があると明らかにした。また、中国・深セン市にシャープの海外販売を統括する本部を立ち上げ、シャープの海外子会社や販売代理店を整理する方針も示した。

 戴副総裁は総会後、記者団に対し「(全世界で7千人を削減する)可能性はある。納期やコスト管理を厳しく見直す」とリストラに言及した。その上で「まずは全社員に実施している給与カットを元に戻し、信賞必罰で実績のある人に報いたい」と述べた。

 総会ではシャープの再建について、先行きを懸念する声も株主からあがった。郭台銘会長は「人材や財務の無駄をチェックする。7月からはシャープの海外子会社などを整理する」と述べ、収益改善に向けたリストラ策を加速する意向を示した。

 鴻海は23日のシャープ株主総会で新経営陣などが承認されれば、6月末に出資を完了する予定だ。

会員限定記事会員サービス詳細