【大正11年】 釧路国支庁 【令制国】
- hirataitaisho
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釧路支庁という行政区画があった。現在の北海道釧路総合振興局の前身。 明治初期に置かれた令制国「釧路国」のうち、足寄郡・白糠郡・釧路郡・阿寒郡・川上郡・厚岸郡を管轄していた(足寄郡は昭和23年に十勝支庁へ移管)。 #釧路国支庁 pic.twitter.com/3P0F8S5Jht
2017-07-01 11:22:20ところでWikipediaで釧路総合振興局の頁を引くと、大正11年(1922年)に釧路支庁を「釧路国支庁」に名称変更したという記述が出てくる。 廃藩置県(明治4年/1871年)から50年、思いがけない「令制国」名の復活ということになるのだが、一体なにがあったのか。 #釧路国支庁 pic.twitter.com/cCtWLtzJAD
2017-07-01 11:23:39大正十一年勅令第三百八十号 朕明治三十年勅令第三百九十五号 北海道廳支廳名稱位置及管轄區域ニ關スル件中 改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム 嘉仁 裕仁(摂政宮) 御名御璽 内閣総理大臣 男爵 加藤友三郎 内務大臣 水野錬太郎 #釧路国支庁
2017-07-01 11:25:05勅令第三百八十号 明治三十年勅令第三百九十五号ヲ左ノ通リ改正ス 別表中「北海道廳札幌支廳」ヲ「北海道廳石狩支廳」ニ 「北海道廳函館支廳」ヲ「北海道廳渡島支廳」ニ 「北海道廳室蘭支廳」ヲ「北海道廳胆振支廳」ニ 「北海道廳釧路支廳」ヲ「北海道廳釧路国支廳」ニ改ム #釧路国支庁 pic.twitter.com/FLwIXVodyf
2017-07-01 11:26:00大正11年、北海道にあった支庁のうち札幌支庁・函館支庁・室蘭支庁・釧路支庁の4支庁の名称が改められた。それぞれ、石狩支庁・渡島支庁・胆振支庁、そして「釧路国支庁」である。石狩・渡島・胆振は、現在も総合振興局の名で続いている。 #釧路国支庁
2017-07-01 11:27:26ではなぜ釧路だけ、わざわざ旧令制国を思わせる「釧路国支庁」となったのか。 別の資料によれば大正11年7月、内務省から北海道の一部支庁の名称変更について議事が閣議に提出されている。 (アジ歴:A13100551700 公文類聚・第四十六編・大正十一年・第八巻) #釧路国支庁 pic.twitter.com/2KenDp1JCe
2017-07-01 11:30:00北海道には明治時代、明治30年勅令第158号「北海道区制」によって「区」という行政単位が置かれていた。札幌や函館など「市」にするにはやや足りないと見做された地について「市」に準ずる「区」とした。 札幌・函館・小樽・旭川(大3)・室蘭(大7)釧路(大9)である。 #釧路国支庁
2017-07-01 11:31:15大正11年、これらの「区」をいよいよ「市」に昇格させることになったのだが、ここでひとつ問題が持ち上がった。 札幌・函館・室蘭・釧路は現在「支庁」の呼称で使っている。ここでこの4区を市にすると、「しちょう」が「支庁」のことか「市長」なのか誤解されないか、というのだ。 #釧路国支庁 pic.twitter.com/6o1ewMCtxa
2017-07-01 11:32:04内務省はここで、「支庁」のほうを呼称変更する策を取ることにした。札幌・函館・室蘭についてはそれぞれ、旧令制国名から「石狩」「渡島」「胆振」とする。 さて釧路についてだが、釧路は令制国でも「釧路国」なので、前三者と同じにすると結局「釧路支庁」になってしまう。 #釧路国支庁
2017-07-01 11:33:09内務省は最初の提言では「他ニ適當ナル地方的名稱ナキニ依リ」、いま「釧路区」が釧路支庁の「南」のほうに位置しているので「釧南(センナン)」という呼称にしようと述べている。 しかし最終決定では「釧路国支庁」となっているので、どこかで「釧路国」に変えられたのだろう。 #釧路国支庁
2017-07-01 11:34:57残念ながら、今のところアジ歴で調べた限りでは、「釧南」が「釧路国」に変わった経緯の資料は見つけられなかった。もし分かることがあれば、御教示願いたい。 #釧路国支庁
2017-07-01 11:35:24なお、 呼称は「クシロコク」
Wikipediaもたまにはちゃんと見るもんだな。 釧路総合振興局じゃなくて「釧路支庁(ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%A7…)」のほうに昭和30年国勢調査のリンク貼ってあって、それ見るとたしかに Kushirokoku-shicho になっとるわ。 pic.twitter.com/36ju10MQs4
2020-07-21 01:55:25