日本でも、優秀なエンジニアの獲得のために入社準備金制度の導入が相次いでいるようですが...、もちろんアメリカでも、天下のGoogle様も例外ではないようで、優秀なエンジニアの囲い込みのためにあの手この手を尽くしているようです。
Googleは、これまでに例のない福利厚生として、無料で、家の掃除をしてもらったり、ゴミを捨ててもらったり、夕ごはんを作ってもらったりなどといった、「パシリ」の用を何でも依頼できるサービスを導入したそうです。
TaskRabbit(アメリカの主要な5都市で、パシリの用事をお願いしたいユーザーと、そのパシリの仕事を請け負いたいユーザーをつなげるサービス。5ドル以上の依頼金で利用可能)のサービス利用権利をGoogle社員に無料で与えているらしい。
Google社員は、例えば「洗濯物を畳んで片付ける」「2人分の夕食をつくる」「IKEAの家具を組み立てる」「洗い物をして片付ける」「IKEAのベッドを捨てる」「ケーキをピックアップして運ぶ」「犬の散歩」などといったさまざまな依頼事をTaskRabbitを通じて、無料でやってもらえるのです。(なんて羨ましいんだ!)
しかしながらこの福利厚生は、TaskRabbitのサービスエリアであるニューヨークやサンフランシスコなどといったベイ・エリアを含むアメリカの主要5都市に住む社員のみが利用可能だそうです。
TaskRabbitの創始者Leah Busqueさんは、Google社員が、依頼事に対する利用の上限額を設定されているのか、それとも無制限に利用できるかどうかなどといった詳細は教えてくれませんでした。
しかし彼女は、「Google社員の皆さんはTaskRabbitを与えられたサービスとして、エンジョイしている」と言います。
我々はGoogle以外の他の会社の福利厚生としても、同じようにサービスを提供しています。この福利厚生は、社員の生活の一部の手助けをすることで、優秀な社員がもっと仕事に集中しそして会社への貢献に繋がり、また社員のワーク・ライフ・バランスを保つために役立ちます。
よく見受けられる依頼として、「靴修理屋に靴を持っていく」、「IKEAの家具を組み立てる」、または「日用品を届ける」などといったものがあります。
競争が激しい業界で従業員を幸せにするために、TaskRabbitは、福利厚生を提供する立場として手助けをしているのです。
確かに彼女は人材マーケットに「効く」ビジネスを展開していると思います。ここ数カ月のIT企業は、優秀で才能あるプログラマー不足に悩んでいるとのレポートが相次いでいるのですから。
特にGoogle とFacebookとのエンジニアの獲得競争は激化していて、GoogleからFacebookに転職させないために、何人かの社員に50万ドル(約4000万円!)のボーナスを用意したという情報(英語)もあるくらいです。さらにベンチャーキャピタルの期待も強いようで、Twitter、Amazon、Foursquare、Zynga、その他ベンチャー企業など、シリコンバレー企業の雇用の拡大は次々に耳にします。
2009年にGoogleは、大幅な予算カットのために「企業文化のリセット」を唱えて、無料の食事などいった、羨ましくなるような福利厚生はカットしてしまいました。
しかし今回の新しい福利厚生サービスは、Googleが「成熟した公共性の高い企業」として、株価の伸びも安定してきた中で、福利厚生や社員のワーク・ライフ・バランスが、Facebookなどといった「上場」によって一攫千金が狙えるベンチャー企業と差をつけるための一番良い手段であると判断したのではないかと思います。
そして福利厚生の提供会社は、ITとは無関係の低賃金労働者を手助けする役割もあります。
アメリカの失業率は未だ9.6%と未だ高いままです。このことからも、TaskRabbitのジョブボードの価値は明確であると言えるでしょう。たくさんの人がシリコン・バレーの富裕層のためのパシリという低賃金の仕事を喜んで請け負う人がいるのですから。
日本でも最近はエンジニアのための高待遇制度はちょくちょく聞きますが、やはりアメリカの方が競争は激しそうですね。
[Photo of a massage at Google Developer Day in Paris via Luc Van Braekel/Flickr]
Ryan Tate(原文/mayumine)