大麻＋ヨガの組み合わせ —— 人気の｢ガンジャ・ヨガ｣を体験してみた

マリファナが合法化されたサンフランシスコでは、｢下を向いた犬｣のポーズからではなく、マリファナを吸うことから始まるヨガ教室が人気を集めている。

ハタ・ヨーガの教師として22年の経験を持つディー・デュソー（Dee Dussault）は、マリファナとヨガを組み合わせれば、心身ともに、よりリラックスできると考えた。教室は2009年にトロントでスタートし、サンフランシスコでは2012年に始まった。

昨年11月、カリフォルニアでマリファナが合法化されたことで、これまで10〜15名ほどだったデュソーのレッスンの参加者は、すべてのクラスでほぼ2倍の25名に増えた。

わたしは人気の秘密を探るために、この｢ガンジャ・ヨガ｣のレッスンに参加した。以下がその時の様子だ。

水曜の夜、サンフランシスコのソーマ地区。バーニングマンの破片が飾られた画廊の階段を登ると、デュソーのスタジオにたどり着く。

生徒たちは彼女の周りに半円状に座る。マリファナたばこ、マリファナの電子たばこ、マリファナクッキーが目の前に並べられる。｢お好きなものをどうぞって感じね｣とデュソー氏は笑う。

初めて参加した生徒が迷っている間に、常連がマリファナたばこに火をつけて、隣の人に回し始める。

その間、デュソーは25ドル（約2500円）の授業料を集めた。レッスンのみの費用で、マリファナ代はタダだ。合法化によって、1オンス（約28グラム）までのマリファナを贈ることが可能になったから。このレッスンに参加するのに医療大麻用のIDは不要。

レッスンは30分の交流タイムからスタートする。リラックスした雰囲気が流れる。自分の家以外でマリファナを吸うのが初めての生徒もいる。

2本のマリファナたばこが半円状に座った生徒の中を進んでいく。わたしは吸うたびに自信が満ちてくるように感じた。隣の若い女性と友達になった。

参加者の1人は、マリファナ製品を通信販売する会社の発送担当になったと教えてくれた。デュソーのレッスンでその会社の製品に触れて、決断したらしい。

リラックスしたあとは自己紹介。1人の若い女性が｢ヨガのことはよく知らないけど、マリファナを吸うのは好き｣と話した。笑い声が起きた。

5人の列を4つ作る。教室はいっぱいで、2人の生徒は隣の部屋からデュソーの声を追う。

ヨガマットの端にマリファナの電子たばこを置いている生徒もいる。

｢体が必要としている部分に大麻を注いでください｣

レッスンは非常にゆっくりとしたペースで進む。ワークアウトとは言えないかもしれないが、最高に楽しい。

デュソーの甘い声は、いつものヨガでは得られないリラックスした状態に筆者を誘う。いつもなら自分のポーズを隣の人の完璧なポーズと比べてしまうのに。

少しフラつきながらポーズをとる（マリファナのせいだ）。しかし、1日中PCの画面を見ていたせいで凝り固まった背中の痛みから解放された。

とても気分がいい。

潜在意識のスイッチが入り、わたしは妄想に駆られ始めた。

突然、家に帰り寝転がってTVドラマ｢30 Rock｣を観たくなった。でも、やり続けよう。インディーズ系のBGMを頭の中で鳴らして、帰りたくなる思いをかき消した。

デュソーが、わたしのお気に入りでもある｢子供のポーズ｣をするように指示したとき、わたしは安堵感に包まれた。体は床に溶けてしまいそうだった。

｢ガンジャ・ヨガ｣では子供のポーズは皆のお気に入りだ。全員がデュソーの声に従う。

最後は屍のポーズ（サバサナ）で締めくくる。いい雰囲気に身を任せる。

全体的に有酸素運動というよりも瞑想に近い。新鮮で有意義な経験だった。

最後にCBDを豊富に含むマリファナたばこを回す。CBDは医療効果を持つマリファナの成分で、摂取してもハイにはならない。

まるで生まれ変わったような気分だ。

［原文：San Francisco's new workout craze is called 'ganja yoga' — take a look］

（翻訳：Wizr）