全部にはならなかった。
JR東日本が高輪ゲートブリッジ駅を中心とした
再開発事業の最中に出てきた
鉄道発祥の地の歴史的遺産、高輪築堤。
その保存を巡って
開発のための工事を変更してでも残してほしいという声が上がった。
そこでJR側の検討をしていたようだが
最初に出されたのが一部のみの保存だった。
計画中のビル4棟のうち1棟の位置をずらし、
線路をくぐる水路にかけた「第7橋梁きょうりょう」(80メートル)を含む
計120メートルを現地保存するという説明だが
これには地元や鉄道史に詳しい学者たちからの反対の声が止まなかった。
このままで決まってしまうのかと思ったら
なんと、
羽田空港アクセス線(仮称)の建設に伴い、
田町駅の北側の試掘で見つかった北側の約100mが当初の建設ルートが
地中で保存される見込みとなった。
これで保存されるのが220mになる。
またこの付近にある「雑魚場架道橋」も
「鉄道開業時の橋台が残っている可能性が高い」との
見解を示した。あの身長の高い人間が通りづらい橋の下だ。
識者からは
「アクセス線の計画を止めない限り、
築堤をこれ以上、現地で保存するのは難しく、
記録後に一部を解体するのはやむを得ないと考えている。
(近くを通る)薩摩台場の様子が
明らかになる点は期待したい」のコメントがあったが
(JR東日本の有識者委員会で委員長を務める谷川章雄・早稲田大元教授)
遺せるものは残してほしい。
歴史上初の線路と堤を知ることは
未来へと確実につながるのだから。
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