えっ、もしやパソコンソフトのオークション出品は全面禁止に?

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    えっ、もしやパソコンソフトのオークション出品は全面禁止に?

    貸し借りや譲渡まで禁止になるかも...

    米第9巡回控訴裁判所がパソコンソフトのオークション販売禁止を求めて起こされた訴えに対して、全員一致でソフトウェアメーカー側の主張を認める判決を先月下したことが、大きな波紋を呼んでいますよ。オークションサイトのeBayが大反対運動を呼びかけると同時に、こんなことを認めるならば、次は書籍の再販や貸し借りにまで影響が及ぶかもしれないと、米国図書館協会まで判決に異議を唱えていますね。

    そもそもの事の発端は、Autodeskの販売する「AutoCAD」のRelease 14のバージョンのソフトウェア使用許諾に含まれるライセンス条項に、同ソフトウェアの譲渡や再販を購入者に許可しないとの規定が明記されており、これに同意したのにeBayで出品販売を行なったと出品者を訴えたのがきっかけのようです。そして、裁判所のほうでも、ソフトウェアメーカーがライセンスに制限を盛り込んだ以上は、著作権者が著作物の複製物を売却すると買い主は制約なくそれを処分できるというファーストセール・ドクトリンの法則が適用外となり、オークション出品は違法との判断を示しちゃいましたよ。

    もし今後はメーカー側が判例に則って、ソフトウェアの購入者に購入ソフトの譲渡やオークション出品を禁じる販売方式を取ってくれば、かなりの制限を受けることになりそうです。アメリカでの話ですけど、なんだか買ったソフトを自分で自由に手放すこともできないのは不便なことでもありますよね...

    David Kravets(原文/湯木進悟)