山梨の伝統工芸で高級ブックカバー 春光堂書店
甲府市の中心商店街にある老舗書店、春光堂書店(宮川久次社長)は、山梨の伝統工芸を生かしたブックカバーを企画・開発し、27日から同書店で販売を始めた。カバーの表生地に鹿皮に漆を付けて加工した「印伝」、裏生地に伝統織物の「甲斐絹(かいき)」、しおりに球形の水晶を付けた。読書家に、時代を経て変わらない伝統工芸の魅力をアピールする。
来年、創業95年を迎えるにあたり、印伝、甲斐絹、水晶製造の計3社に依頼し開発した。商品名は「伝心」。販売価格は新書サイズで1万4700円、文庫サイズが1万2600円。
ブックカバーは受注生産する。店頭にそれぞれ見本を置く。表生地のデザインは花柄やトンボなど200種類を用意し、色も赤や黒など10色を取りそろえた。顧客は好みのデザインと色を指定し注文。40日ほどで完成する。顧客は書店に出向くか、宅配で受け取る。裏生地は絹の光沢が売り物で、見る角度によって色合いが美しく変化する。
山梨の伝統産業の粋を集めた逸品は書店のホームページでも発信する。書店の担当者は「山梨に興味を持ち、知ってもらい、遊びにきてもらう動機づけになれば」と話している。