36人が犠牲になった京都アニメーション放火殺人事件で殺人など五つの罪に問われた青葉真司被告(45)は、どのような半生を過ごしたのか。京都地裁での裁判員裁判で6日、検察側が明らかにした母親、兄、妹の供述調書の内容からたどる。

母親「私を恨んでいるようだった」

 真司は1978年5月、埼玉県浦和市(当時)で生まれた。3人きょうだいの真ん中。「可愛らしい元気で活発な子」で、コミュニケーションをとって友だちもできた。

 小学3年の時、離婚。3人の子の親権を持った父親と4人で暮らすようになった。

 3人の子と連絡を取らない期間が10年続いた。真司の妹から「父親が亡くなった」と連絡があって再会したが、3人とも家を出て行った私を恨んでいるようだった。

 06年、真司は窃盗容疑で逮捕された。真司の妹とだったら会ってくれると思い、一緒に行ったが、「何しに来た。それはないだろ」と怒りをあらわにした。私が選んだ弁護人を解任し、国選弁護人と裁判をした。やったことは認めたが、つっけんどんで投げやりな態度だった。裁判官に「反省しているように見えない」と言われても、大して気にしていないようだった。

 私は再婚した夫と茨城県で暮らしており、真司も一緒に暮らすようになった。

「お前に夢はないのか」

 当初は一緒に食事をしたが、再…

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