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ロバート・デ・ニーロ、『アイリッシュマン』で先輩に花を持たせる。【アカデミー賞ノミネートを逃したセレブvol.6】

今週は、映画界の最高峰を決めるアカデミー賞の候補入りを逃した俳優や作品をフィーチャー。実は徹底した役作りで知られるオスカー常連の名優ロバート・デ・ニーロも、激戦の主演男優賞カテゴリーに惜しくもノミネートされなかった。

映画『アイリッシュマン』は、Netflixにて独占配信中。

Netflixで配信中の『アイリッシュマン』は、1950年~1960年代に全米を熱狂させた全米トラック運転組合のリーダー、ジミー・ホッファの不審な失踪と殺人の容疑をかけられた、実在した殺し屋のフランク・“The Irishman”・シーランの半生を描いた3時間29分の超大作。

ペンシルべニアのマフィア、ブラファリーノ家のボスを演じるジョー・ぺシと、彼に気に入られ優秀なヒットマンとして育っていくデ・ニーロ。

マーティン・スコセッシ監督(77歳)を筆頭に、主演のロバート・デ・ニーロ(76歳)、助演のアル・パチーノ(79歳)、ジョー・ぺシ(76歳)と、映画界のレジェンドたちが集結している。しかも、彼らの平均年齢が77歳というとんでもない作品でもある。

見よ、この貴重なショットを! 左からジョー・ペシ、アル・パチーノ、マーティン・スコセッシ、ハーヴェイ・カイテル、ロバート・デ・ニーロ。Photo: Jim Spellman/WireImage

さらにアカデミー賞では、作品賞と監督賞、アル・パチーノとジョー・ペシが助演男優賞と、主人公の殺し屋フランクを演じるロバート・デ・ニーロ以外は全員ノミネートされているのだ。作品は、スコセッシがずっと描き続けてきたアメリカの裏社会と、そこで罪を犯しながら朽ち果てる金と暴力と欲望にまみれた男たちの物語。まるで監督人生の集大成といわんばかりの作品であり、個々の俳優たちの癖も圧も存在感も強烈なので、演技に甲乙をつけがたいのも正直なところだ。

鑑賞前にジミー・ホッファがどんな人物かをネット検索で予習しておくと、物語への理解が深まる。

それでもデ・ニーロがノミネートをされたなかっということは、既視感が拭えなかったからなのか。ただし、2度オスカー像を手にしているデ・ニーロと違い、その他の3名はまだ1度しかオスカーを受賞していないのと、この中では彼が一番の年下ということで、今回は喜んで先輩たちに花を持たせようと思っているはずだ。

Text: Rieko Shibazaki