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頑張れなかった人達の増加スピードが人の寿命を上回っている

注意:このエントリに素晴らしい解決策や明るい未来は特に書いていない。もんやりすることをもんやりしたポエムで書く。

所詮この世は適者生存

UberやGoogle、paypayなどなど、様々なベンチャーのおかげで僕らの仕事や生活は10年前に比べて便利になった。

Uberのおかげで海外の見知らぬ土地の移動の不便さは減った。
Google Documentのおかげで会議中にリアルタイムで議事録を作成でき、会議後の共有メールを送る手間が減った。
paypayをはじめとした決済サービスとクレカがあれば都内の買い物/食事は現金無しでほぼ済む。

でもこうしたツールを使えない人もいる。こうしたツールに職を奪われる人もいる。

Uberはサンフランシスコ最大のタクシー会社Yellow Cabが破産するきっかけを作り、その結果サービスレベルの低い一部のタクシー運転手は職を失った。
Google Documentを使いこなせない人は、使える人からするとお荷物なんだろう。効率の悪い社員はいずれはしごを外される。
アプリやクレカを使った決済サービスを導入しないことで店の機会損失を受ける。機会損失は真綿のように首を絞めていく。

世の中の変化に対応できない人や会社は経済活動のはじに追いやられる。

例えば産業革命。馬車ビジネスにこだわった人は職を失ったし、馬車の衰退を見通して鞄を作り始めたエルメスは今も存続している。こうした変化に対応し続けなければ人も会社も生きてはいけないのだ。

という話をする人は結構いるんだけども

とは言ってもですよ?最近は技術革新のスピードが、人や会社が対応できる範囲をだいぶ上回った気がする。産業革命の時より多分ヤバい。僕生まれてないけど。

現場の課長がやっとEメールの使い方を憶えたと思ったら周りは社内メッセンジャーを使っていて、やっと社内メッセンジャーの使い方を憶えたと思ったら周りはChatworkなどを使っていて、やっとChatworkの使い方を憶えたと思ったら時代はSlack+Google Document+trelloになっていて、2021年ころにはまたツールが変わっているんだろう。

さすがに同情する。課長、これまでよくやった。でも多分周りから白い目で見られてる。早く逃げて。

速すぎる技術革新が生み出す大量の「頑張れなかった人達」

便利なサービスの普及には「頑張って対応しようとする人達」が不可欠だけど、その裏には「頑張れなかった人達」が存在する。頑張れなかった人達は頑張って対応できた人にいずれ淘汰される。敗者復活はほぼ絶望。

たかが業務ツールだけど、こうしたことがきっかけで社内に「頑張って対応できた人達」と「頑張れなかった人達」の分断が起きる。最初は情報の分断、次に地位の分断、次に報酬の分断。最後はまあ、社内にいれなくなるんだろう。

同じような分断はUberのような様々な産業に影響を与えるビジネスの普及によっても起こるし、その究極が国の分断。

頑張れなかった人達の増加スピードと寿命

これまでの技術革新のペースだと、頑張れなかった敗者チームはそこまで人数を増やすことなく寿命を迎えていた。企業内であれば定年を迎えていた。
だが現在のようなスピードの技術革新が続くと「変化に乗り遅れたまま、数十年の余生を過ごす人」がどんどん増える。こうした人達が怨念渦巻く敗者チームにどんどん加わる。分断に伴う怨念は会社の中、国の中に問題を生み出す。

そうした分断を防ぐために各国様々なセーフティネットがあるんだろう。しかしそれらのセーフティネットが破れ続けた結果がトランプ政権やブリグジットなんだと思う。

頑張れなかった人達の増加スピードが人の寿命を上回っている。頑張れなかった人達を敗者としてそのまま放っておくのは企業にとって、世界にとって合理的じゃない。

今頑張っている人の成果やモチベーションを削らない。これは必須。その上でこれ以上の分断が起きないよう社内の仕組み、国の仕組みとして用意する必要がある。

当たり前の話なんだけど、最近やたらもやつくので改めて書いた。

皆さんからのサポートはもれなく焼酎代とkindle積み本代に変換され、そこでの気付きが新たな記事のネタになり皆さんを楽しませることでしょう。多分。