オウム幹部死刑から5年、アレフは今も「麻原絶対」…際立つ若者の入信・「資産隠し」
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地下鉄サリン事件など数々の凶悪事件を起こしたオウム真理教。教祖の麻原彰晃こと松本智津夫元死刑囚(執行時63歳)ら元教団幹部13人の死刑執行から5年が過ぎたが、後継団体の勢力は維持されたままだ。公安当局が「元死刑囚への帰依を深めている」として監視を強める一方、近年は事件後に生まれた若い世代の入信が目立つ。被害者遺族らは事件の風化を防ぐ必要性を訴えている。(柏原諒輪、坂本早希)
神格化を危惧
〈麻原彰晃尊師の超越神力エピソード集〉

4月下旬、札幌市。後継団体主流派「Aleph(アレフ)」の施設に立ち入り検査をした公安調査庁の担当者は、松本元死刑囚のカラー写真が表紙に印刷された刊行物を見つけた。
同庁によると、各地のアレフの施設では祭壇に松本元死刑囚の肖像写真が掲げられ、埼玉県の施設では昨年9月、団体側が「松本元死刑囚の脳波のデータを注入する」とうたう「ヘッドギア」が確認されている。
オウム真理教は1989~95年に地下鉄、松本両サリン事件などを相次いで起こした。一連の事件では計29人が死亡、約6500人が負傷し、元幹部13人の死刑が確定した。松本元死刑囚ら7人の刑は2018年7月6日に、残り6人は同月26日に執行された。