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著名なセキュリティーリサーチャーのpiyokango氏が注目のシステムトラブルをピックアップ。今週の注目ネタは…。

 2019年6月第2週の注目ニュースは3件。最初は、4月から続くGMOクラウドのトラブルを取り上げる。

GMOクラウドで利用するアドレスブロックがスパム認定される(6月7日)

 GMOクラウドのサーバーから米グーグル(Google)のGmailやG Suiteにメールを送ると、エラーメッセージが返ってくるというトラブルが2019年4月に確認された。1カ月以上が経過した6月7日時点でも解決に至っていない。

米グーグルのサービスにメールが届かなくなるトラブルを伝えるGMOクラウドの障害報
米グーグルのサービスにメールが届かなくなるトラブルを伝えるGMOクラウドの障害報
(出所:GMOクラウド)

 原因は、英スパムハウスプロジェクト(Spamhaus Project)のリストにGMOクラウドのサーバーで利用するIPアドレスが登録されたからだと、GMOクラウドは考えている。スパムハウスプロジェクトは、スパムメールを送るサーバーのリストを公開している。グーグルはこのリストを参照して、GMOクラウドからのメールをブロックしていると思われる。

 GMOクラウドは、一部のユーザーがスパムメールを送信していたことで、送信していたサーバーのアドレスだけでなく、そのアドレスを含むアドレスブロック全体がリストに登録されてしまったと説明。スパムメールを送っていたユーザーのアカウントは既に停止し、スパムハウスのリストから登録は削除されたとしている。

 しかしグーグル側のブロックがまだ解除されないため、GMOクラウドは商用利用のユーザーに対して回避策を準備。GmailとG Suiteに宛てたメールだけ別経路になるように、リレーサーバーを用意したとしている。

https://support.gmocloud.com/info/detail.php?no=1555381532