能登半島地震「もっと早く飛べたはず」 ドローン操縦士がみた課題
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能登半島地震は、路面の陥没や倒木、土砂崩れで道路が寸断されて多くの地区が孤立状態となり、救援物資の輸送が困難を極めた。こうした中、国内の大規模災害としては初めて、発生から間もないタイミングでドローンによる物資運搬が実現したが、現地に入ったドローン操縦士は、思ってもみなかった「壁」をいくつも感じた。ドローンという新たな救援手段を今後の災害に生かすために必要な備えとは――。
道路が寸断され、孤立状態となった石川県輪島市の西保地区。NHK連続テレビ小説「まれ」のロケ地となった大沢漁港にほど近い西保公民館に地震発生から10日後、約1・5メートル幅のドローンが医薬品を降ろし、再び空に飛び立った。操縦士の青木孝人さん(45)は「何とか間に合った」と胸をなで下ろしたが、「もっと早く飛べたはず」と課題も感じた。
青木さんは過疎地を中心にドローンの物流実験を行うネクストデリバリー(山梨県小菅村)の取締役。加盟するドローン活用推進団体・日本UAS産業振興協議会(JUIDA、東京)に災害派遣医療チーム(DMAT)から医薬品運搬の要請があり、1月7日、同僚と2人でボランティアとして輪島市に入った。
倒木が道を塞ぎ、津波で流された材木や廃材が街中に残る光景を目の当たりにして、復興までの道のりを想像すると身が震えた。
ドローンは通常、空港などの周辺や人口集中地区、高さ150メートル以上での飛行が禁止されている。これに加え、能登半島全域は救助活動を行うヘリコプターとの事故を防ぐため、国土交通省がドローンの飛行を原則禁止する緊急用務空域に指定した。ただし、捜索や救助などの必要性が認められ、国交省の飛行許可を得られれば、県災害対策本部との連携の下でドローンを飛ばすことができる。
「被災者の役に立たなければ」という思いで、現地入りした青木さんはすぐに対策本部に…
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