生成AI、高収入ほど影響「3億人分の仕事自動化」 米で分析・予測

村井七緒子
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 生成AIの登場は雇用に影響を与える一方で、効率化が進むなど経済にプラスの作用をもたらす可能性もある。

 チャットGPTを開発した米オープンAIは3月、米ペンシルベニア大の研究者らとの共同調査を公表した。生成AIの基盤となる大規模言語モデル(LLM)を使えばどれだけ時間が短縮されるかなどの観点から、職業別の影響度合いを試算。数学者や税理士、ウェブデザイナー、作家などの職種が上位に並んだ。

 米プリンストン大の研究者らも、AIの言語モデルが影響する職業を分析。短大やビジネススクールなどの高等教育での教員への影響が大きいとの結果が出たという。両研究とも高収入な職業ほど影響を受けやすいとも指摘している。

 米金融大手ゴールドマン・サックス(GS)は3月、生成AIがフルタイム労働者3億人分の仕事を自動化すると予測する報告書を公表。ただ、仕事が完全にAIに奪われるというわけではなさそうだ。報告書は「大半の仕事はAIで部分的に自動化されるが、取って代わられるというより補完される」と分析した。

 また「自動化で失われた仕事は、歴史的に新たな職業と入れ替わってきた」とも指摘。労働生産性は飛躍的に向上し、今後10年間、世界の国内総生産(GDP)は年7%成長すると試算した。(村井七緒子)

生成AIの影響を受けやすい主な職業

(上にいくほど高い)

数学者

税理士

会計士・監査役

記者

ウェブデザイナー

法務アシスタント

裁判所速記官

調査研究者

翻訳家

詩人・作詞・創作作家

広報専門家

動物科学者

生成AIの影響を受けない主な職業

バス・トラック整備士

アスリート

調理師

食肉・鮮魚加工業者

給仕

大工

配管工

塗装工

石工

油田作業員

(オープンAIとペンシルベニア大などとの共同調査から)

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