
馬場典子さんと一緒に学ぶ「個人向け国債」
簡単・安心な運用で人生を豊かに!
フリーアナウンサーの馬場典子さんは、テレビやインターネット番組で活躍するほか、芸術大学の放送学科で教鞭をとるなど、多忙な日々を送られています。最近では自分の生き方や老後を考えるなかで、資産運用に興味を持つようになったそう。そんな馬場さんと一緒に、ファイナンシャルプランナーの深野康彦さんから簡単・安心な資産運用「個人向け国債」について学びましょう。
それぞれの考え方にあわせた運用を
馬場さん: 私は会社員時代に加入したiDeCo(個人型確定拠出年金)を、フリーになってからも続けていますが、住宅以外の資産はほぼ銀行預金のみで保有しています。ただここ最近の物価上昇を見ていると、このまま預金中心で大丈夫なのかと不安に感じていたので、今日はいろいろ勉強できるいい機会だと思っています。よろしくお願いいたします。
深野さん: こちらこそよろしくお願いいたします。iDeCoは公的年金にプラスして給付を受けられる私的年金ですから、老後の不安を解消する目的であれば、そのまま続けていくと良いでしょう。ただしiDeCoは原則60歳以降にしか受け取ることができない制度。馬場さんのご年齢だと、それまでにまとまったお金を使いたいタイミングも出てくるでしょうし、比較的自由に資産を動かせる金融商品をポートフォリオに加えることをおすすめしたいです。
馬場さん: そうなんです。じつは今、もう少し広い家に住み替えたいと考えているところです。

深野さん: 馬場さんが何歳まで働かれるかは分かりませんが、生活を圧迫しないよう、住宅ローンは慎重に組むことをおすすめします。たとえば馬場さんの場合、お仕事で地方に行かれる機会も多いでしょうし、「ここ!」と感じた地方に住むのも一つの手。都心と地方では物価状況が違いますから、生活費が抑えられます。
馬場さん: 確かに、先日仕事で行った仙台は、とてもいい街で住みたくなりました。また独り身の友人同士で「老後は近所に住もうね」と話すこともありますし、いろいろと選択肢が広がるのは嬉しいですね。どこでも、誰とでも住めるというのは独身のメリットかも。
深野さん: 正解はないのですから、自由に、好きなように選んでいけばいいんです。資産運用も基本的には正解はありません。馬場さんのお考えに合った選択をこれからしていけば十分です。
コツコツ積み立てて未来のチカラに
深野さん: 預金だけでは不安ということですが、その理由はどこにあると馬場さんご自身はお考えですか。
馬場さん: 物価上昇と、金利の低さでしょうか。さらに銀行手数料が上がるというニュースも聞いて、このままではいけないなと。
深野さん: そうですね。現在の金利は、メガバンクの定期預金で0.002%、普通預金だと0.001%ほど。金利が高い時代は預金で十分でしたが、金利が低い時代は創意工夫が必要です。ましてや日本は今、金融政策の正常化を含め、変化を迎えようとしているところ。金利の状況が変わったり、物価が上昇しても今の購買力を維持できるように、一人ひとりが対策するべきタイミングだと思います。今動いた人と、動かない人の差は、今後どんどん大きくなっていくでしょう。

馬場さん: でも知識も経験もほぼゼロの私には、株や投資信託は少しハードルが高いように感じます。住宅購入をはじめ、未知数なことがたくさんあるので、極力今ある資産を減らしたくないです。
深野さん: そんな馬場さんに紹介したいのは、国が発行する「個人向け国債」です。年率0.05%の最低金利保証で、元本割れしないというメリットがあります。この安心感のある商品であれば始めやすいのではないでしょうか。
馬場さん: 最低金利が年率0.05%で、しかも元本割れがなし! 今すぐ預金を全額、「個人向け国債」に充てたくなります(笑)。
深野さん: お気持ちは分かりますが、ここは冷静に(笑)。「個人向け国債」は発行後1年経つまでは現金化ができないので、突発的な支出のために現金の一部を手元に残しておくことも大切です。「個人向け国債」は毎月(年12回)発行しており、しかも1万円から購入が可能。最初に大きな資産を預けるよりも、積み立て感覚で購入していくといいですよ。
馬場さん: 確かにその方が徐々に慣れていくことができそうですね。
深野さん: そう、資産運用は「習うより慣れろ」が鉄則です。1万円でもいいから身銭を切ってみて、実際に運用しながら勉強したほうが効率よく知識が身につきます。
馬場さん: 元本割れしない「個人向け国債」なら失敗も少ないでしょうし、資産運用初心者にぴったりの商品ですね。
「変動10年」「固定5年」「固定3年」の3種類
馬場さん: 「個人向け国債」は1種類だけなのでしょうか?
深野さん: 変動金利の「変動10年」、固定金利の「固定5年」、「固定3年」の3つがあります。これから金利が上がると思うなら変動でもいいですし、手堅くいきたいなら固定でもいい。満期になれば自動的に振り込まれますし、発行後1年が経てば1万円単位で換金もできるので、急な支出にも対応できます。ただしその場合は、直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685が差し引かれるのでご注意ください。

馬場さん: 長期金利のほうが長い目で見てメリットが大きいと思うので、「変動10年」が気になります。
深野さん: 「変動10年」は半年ごとに実勢金利に応じて変動するので、実勢金利が上がれば受取利子も増えます。「もし下がってしまったら」と不安に思われるかもしれませんが、最低金利保証(年率0.05%)があるので、その点はご安心を。
馬場さん: それは安心! 投資信託のように値動きに一喜一憂しなくていいのもズボラな私にぴったりです。すぐにでも始めたいくらいですが「個人向け国債」はどこで購入できるのでしょうか?
深野さん: 銀行や証券会社、郵便局で購入ができます。インターネットで購入可能な金融機関もあるのでスマートフォンからでも気軽に買えますよ。
馬場さん: 簡単に始められるところもいいですね。
深野さん: 馬場さんのようなフリーランスの人はもちろんですが、いまや会社員にとっても、老後に向けた資産形成は重要なテーマ。第二の人生の準備のひとつとして、「個人向け国債」はぜひ多くの人に検討していただきたい金融商品です。財務省の個人向け国債特設サイトでは受取利子や中途換金調整額のシミュレーションもできるので、ぜひ参考にしてください。
資産運用は“豊かさ”を増やすためのもの
馬場さん: 今日お話をうかがっていると、人生全体を“豊か”にするのが資産運用なのだと気が付きました。

深野さん: そうなんです! 資産運用は豊かさを増やすための方法だと私は思っています。その場合の豊かさとは、金銭の余裕だけではなく、選択肢の多さ。ランチのメニューにしても、どこかに家を買うとしても、資産運用がしっかりできていれば、その分、選択肢が増えるじゃないですか。
馬場さん: 自分の人生のあり方と資産形成ってすごく密接というか、一心同体ということがよく分かりました。
深野さん: 自分の人生に軸を持たないと、お金に振り回されてしまいます。株の値動きなどを見るのが好きな人であればいいですが、安心で、簡単であることが最優先な人も多いはず。まずは「個人向け国債」からはじめて、興味がわいてきたら、一歩ずつ他の金融商品を見ていくのが良いと思います。
馬場さん: それに「個人向け国債」の購入って、国の政策に役立つものでしょうから、そういった面でも自分の人生にポジティブな影響を与えてくれそうです。
深野さん: 国は国民生活の安定や維持に加えて、公共施設の建設など次世代も受益できる施策を多く実施しています。ある意味、良い社会をつないでいくための架け橋として国債は発行されているものだと私は思っています。
馬場さん: 自分もしっかり資産運用しながら、かつ社会の一員としての意識を高めることができるわけですね。今日は「個人向け国債」について深く理解することができました。深野さん、ありがとうございました。
