ドラマ出演で最長の尺勝ち取った栃煌山「緊張した」

栃煌山(2016年9月11日撮影)

大相撲夏巡業が29日、大阪・羽曳野市で行われ、前日28日に放送されたTBS系テレビドラマ「ノーサイド・ゲーム」第3話に出演した前頭栃煌山(32=春日野)が“俳優デビュー”を振り返った。

同ドラマの原作は池井戸潤の小説。企業のラグビー部が低迷から再起を目指す物語で、第3話ではラグビー部GMの君嶋隼人(大泉洋)らが、まわしをつけて相撲に挑戦した。使用された場所は春日野部屋で、ぶつかり稽古で胸を出す役として大関栃ノ心(31=春日野)と栃煌山が起用された。

大泉演じる君嶋に胸を出す最もおいしい役? は番付が考慮されたのか栃ノ心だったが、複数のラグビー部員に胸を出した栃煌山が、放送時間で最も長い尺を得た。「初めてで緊張した」と栃煌山。撮影日は名古屋場所前の6月で、撮影時間は2時間以上に及んだという。ラグビー部員を演じたキャストは体格も良く、栃煌山にとっては朝稽古後だっただけに「とにかく疲れましたよ。プロレスラーの方もいたらしくて当たりが強かった」と苦笑いを浮かべた。前日28日の放送は、ネットの動画再生サービスで確認。「周りからも『出てたね』と言われました。なかなかない経験です」と話した。

東前頭12枚目だった名古屋場所では5勝10敗と振るわなかった。秋場所(9月8日初日、東京・両国国技館)では番付を大きく下げる見込み。この日の幕内力士による申し合い稽古では、11番取って9勝と奮闘した。07年春場所の新入幕から74場所連続で幕内の座をキープする実力者は「後がないので。しっかり食べて、しっかり稽古をしたい」と力を込めた。