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東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災。復興の様子や課題、人々の移ろいを取り上げます。

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がれきではなく「被災物」 学芸員は泣きながら痛みを拾い集めた

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各家庭の玄関や風呂のタイルの破片。津波で基礎しか残らなかった家でも、小さなかけらで自宅の場所が分かったという=宮城県気仙沼市で
各家庭の玄関や風呂のタイルの破片。津波で基礎しか残らなかった家でも、小さなかけらで自宅の場所が分かったという=宮城県気仙沼市で

 泥にまみれた生活器具、家からはがれたタイル片。その美術館には、東日本大震災の「被災物」が並ぶ。宮城県気仙沼市の「リアス・アーク美術館」。震災発生直後から津波に襲われた街を写真に記録し、壊された品々を集めたのは学芸員だった。極限の中で葛藤を抱えながら記録を続けた学芸員たちは何を思い、何を残そうとしたのか。

 気仙沼湾を見下ろす丘の上にある美術館は1994年、気仙沼市と同県南三陸町を母体として開館した。東北・北海道の現代美術や三陸沿岸の民俗文化を紹介する一方、津波で破壊された船体の一部や泥をかぶった品々が並び、震災直後の現場の写真が展示されている。2013年から始まった常設展「東日本大震災の記録と津波の災害史」だ。

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