カンブリア宮殿

村上龍×経済人

毎週木曜日1106分 ~1155

テレビ東京系にて放送中

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2019912日 放送

錫100%の技術力と魅惑のデザインで客を魅了
下請け鋳物工場が世界に羽ばたいた秘密!

  • 能作 社長 (のうさく かつじ)

欧米からアジアまで、今、富山県高岡市の鋳物メーカーが生み出す製品に世界が魅了されている。100年前に創業した下請け町工場は、いかにして斬新なデザインと技術力で客を掴む「ブランド鋳物メーカー」に変貌したのか? 創業家の娘婿の知られざる格闘に迫る!

社長の金言

  • 謙遜せず魅力を伝える
  • RYU’S EYE

  • 座右の銘

放送内容詳細

富山発“魅惑の器”で下請け町工場が世界の「NOUSAKU」に!

冷たい飲み物を注ぐだけでキンキンに冷えるタンブラーや、金属なのに手で簡単に曲げられる変幻自在のカゴなど、他にない錫100%の商品で注目を集める鋳物メーカー「能作」。富山県高岡市にある本社工場は年間12万人が訪れる県内有数の観光スポット。職人仕事の現場に入り、ダイナミックな鋳物づくりを間近に見ることができる見学ツアーが大盛況なら、錫100%の製品を自作できる体験工房に、「能作」の食器で地元の食材を使った食事ができるカフェまである。そんな能作の自慢は、その技術力。シリコンを使った鋳造法などを自社開発。従来の鋳造ではできなかった精密な造形を作ることができるのだ。その評価は今やアメリカ、ヨーロッパでも高まりつつあり、さらに台湾の大手陶器メーカーと合弁会社を設立する動きも。
富山の田舎町から世界が注目するものづくりへ、知られざる「能作」の秘密に迫る。

元新聞社のカメラマンから下請け職人へ…娘婿の大逆転劇!

元々新聞社で働いていた克治は、27歳の時に婿養子として義父が経営する能作に入社する。下請けだったビジネスを転換する決意をしたきっかけは、自らも職人として働いていたある日、工場見学に来た親子が発したこんな言葉…「勉強しないとあんな仕事につくことになるよ」。能作は、もっと自分たちの仕事を誇れるものにしようと自社ブランドの商品作りに乗り出す。そして直営店を作り直接客の声を聞き、テーブルウエアから生活雑貨、医療器具まで…様々な分野に商品を展開していった。その成功を支えてきたのが、デザイナーたちとの他にないタッグ。売れた分だけデザイナーに分配する仕組みで、若手デザーナーのやる気を引き出し、魅力あるデザインの製品を生み出していった。下請けを脱却した能作流のものづくりとは?

倒産寸前の鋳物の町を復活させろ!

かつて鋳物の街として栄えた高岡市は、今や公共サービスが一部停止するなど財政は危機的状況にある…
能作は、なんとか鋳物の街を復活させたいと、高岡の鋳物メーカーに自社開発の技術を教えたり、地元職人とタッグを組んだ新たなブランド「能作プレステージ」を立ち上げ、東京に直営店をオープンするなど培ったブランド力を武器に、鋳物の街を元気にするため攻めに打って出ている。その挑戦を追う。

ゲストプロフィール

能作 克治

  • 1958年福井県生まれ
  • 1980年大阪芸術大学芸術学部写真学科卒業
  • 1984年新聞社勤務を経て、能作入社
  • 2002年能作 代表取締役社長就任

企業プロフィール

  • 本 社:富山県高岡市オフィスパーク8-1
  • 創 業:1916年
  • 年 商:16億円(2018年9月期)
  • 従業員:150人(パート含む)

村上龍の編集後記

錫100%の製品は、柔らかで、研磨ができない。だからその表面に、独特の、微細な模様が生まれる。鋳型の細かい砂の痕だ。それが、抽象画のように美しいテクスチャーを生む。しかも、一粒一粒の砂の集積具合は鋳型によって違うので、同じ模様は他に存在しない。錫はおもに合金として使われてきたが、能作は生き残りをかけ、錫100%に挑戦し、作り上げた。鋳造の、奇跡だ。代表作「KAGO」は魔法のように繊細だった。感触は金属なので、一瞬「折れるかも」と思ってしまう。あんな柔らかさ、わたしは、初めて体感した。

村上龍の編集後記画像

放送を見逃した方はこちらテレビ東京 ビジネス オンデマンド

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社長の金言

  • 商品の質と価格のバランスが 今後の勝敗を分ける

    高倉町珈琲 会長横川 竟

  • 働く人からも選ばれる店が次の時代の勝者

    高倉町珈琲 会長横川 竟 

  • 人が思い付かないことを 考えて突き進む

    トラスコ中山 社長中山 哲也

  • ほとんどの問題は解決可能

    ネジロウ 社長道脇 裕 

ご注意下さい

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