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日本高校野球連盟は20日、新型コロナウイルスの影響で、今夏の第102回全国高校野球選手権大会(甲子園球場)と、全49代表(北海道、東京各2校)を決める47都道府県での地方大会を中止すると発表した。全国選手権の中止は1918年(米騒動)、41年(戦局深刻化)に続き3度目で戦後初となる。3月の選抜大会も取りやめになっており、同一年の両大会中止は初めて。大会運営委員会と理事会が20日、オンライン会議方式で開かれ、決定した。
日本高野連は、県境をまたぐ移動と長期の宿泊を伴う全国選手権、事前の地方大会で選手らの感染リスクを完全に排除できないと判断。長期間の休校で夏休み短縮の動きがあり、地方大会開催で学業に支障をきたし、全代表が決まらない可能性があることなどから中止を決断した。
記者会見した日本高野連の八田英二会長は「球児の安全確保が担保されている情勢にはない。ベストコンディションで試合に臨めるとは言い難い状況になった。球児の安全、安心を最大限配慮した苦渋の決断とわかっていただけたら」と説明し、「大会出場を目指した球児という栄冠は永遠に輝いている」と励ました。
各地の春季大会も中止(沖縄は途中打ち切り)となり、3年生は今年の公式戦出場がなくなる。このため、都道府県高野連の中には独自に大会を開催する動きもあり、八田会長は「財政支援をすることは理事会で了承された」と話した。
全国選手権(前身大会)は1915年に始まり、18年は米騒動、41年は戦局の激化で中止され、42~45年は戦争の影響で中断、78年からは全都道府県の代表が出場。今夏は約3800校が地方大会に参加し、全国大会は8月10日から16日間の日程で行われる予定だった。また、兵庫県での第65回全国高校軟式野球選手権大会(8月26日開幕)の史上初となる中止も決まった。