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ChatGPTで「学習指導要領何でも回答Bot」をつくってみた

前回「学校教育における全体アーキテクチャを描いてみた」がそれなりに好反応だったので、次はその中身の解説の予定でしたが、、、
行き当たりバッタリのnoteなので、今回は(も?)横道にそれちゃいます(でも必ず近いうちに書きます)。
※タイトル読んで来て「早く学習指導要領何でも回答Bot触らせろや」という方はこちらに行っちゃってくださいー(でも戻ってきてねー)

学習指導要領を理解しなくちゃ

前回の「学校教育における全体アーキテクチャを描いてみた」では20以上の国の文書等を読み込んで描いてみた、と書きました。

でも「学校教育」を考えるのであれば、前提となる「学習指導要領」を理解する必要もあるのでは?と。
でも、学習指導要領って総則解説ぐらいしか通しで見たことがなく、何かのタイミングでごくたまに「小4理科ってどんな力が求められているのだっけ?」みたいに見る程度。
学習指導要領って小学校編だけでも337頁。一方で解説こそ本体という説もあるので、解説もちゃんと読まないと理解しきれない。解説も入れると小学校編だけで3,366頁
しかもA4の文書の頁数だから、普通の本よりずっと文字量が多そう。

こういうときはアレだ、AIだ。AI=ChatGPTを頼ろう。
ということで「学習指導要領を何でも答えてくれるAI」をつくってみますー

学習指導要領なんでも回答くんのレシピ

では今日は「学習指導要領(小学校)のことを何でも回答してくれるAI」をつくります。気持ちを盛り上げる音楽も置いておきます。

<材料>

<作り方>

  • ChatGPTにユーザ登録します。課金すると、調理が早くなりますし味も良くなります。なんでもお金で解決するの、嫌になりますね。

  • DocsBotにユーザ登録します。課金すると、キッチン広くなりお鍋も大きくなります。なんでもお金で解決するの、嫌になりますね。

  • DocsBotにChatGPTのAPIを覚えてもらいます。やり方などはこちらを見ていただくのが良いかもです。これで下ごしらえ完了。

  • DocsBotのお鍋に材料を全部ぶち込んで中火で煮込みます。お鍋に入れるときに、各材料の名前とURLを入れておくと、食べたときの触感が良くなるのでおススメですよ。

  • 注意点は学習指導要領コードのcsvが生だと火が通らないこと。UTF-8がエラーとのことなので、皮を剥いてSHIFT-JISにしても火が通らない。思い切ってボム付きにしてみましょう。あらびっくり、火が通るように。ボムに火が通るってことはこの世界はFF3なんですかね。

  • はい、計10分ほど待つと出来ました。お皿に盛りつけて「学習指導要領(小学校)なんでも回答くん」が完成ですー!

https://docsbot.ai/chat/ZfTVpGXfaEqiHikuWbL9/AfZlhgDyEaZm3XTiLUdf

さっそく色々聞いてみる

では、早速色々聞いてみましょう。
皆さんも遊んでみてください(質問・回答数に制限あるので、回答できなくなったらゴメンナサイ)。
※あくまで私的に作ったものなので、誤った回答とかあっても文科省にクレーム入れないでくださいね。フリじゃないよ!

Q. 今の小学生ってどのような力が求められているのですか?

今の小学生には、未来社会を切り拓くために必要な資質・能力が求められています。具体的には、自己表現力やコミュニケーション能力、問題解決能力、創造性や発想力、情報リテラシーなどが挙げられます。また、社会に開かれた教育課程を重視し、物の使い方や人々との接し方を児童自身が身に付けるようにすることも望まれています。これらの力を身に付け、生涯にわたって能動的に学び続けることができるようにするために、学校教育の蓄積を生かし、学習の質を一層高める授業改善の取組を活性化していくことが必要です。

おお、かなりしっかりとした回答。ちゃんと機能していますね。
以下みたいな感じで答えてくれます。ちゃんとどこを参照して答えているのかも分かりますし、リンクもつけてくれます(この辺りは下ごしらえの成果)。

Q. では、そういった資質・能力を伸ばしていくには、どのような指導・支援が必要なのでしょうか?

小学生が自己表現力や問題解決能力を身に付けるためには、以下のような指導・支援が必要です。

①学級経営の充実を図り、集団の場面で必要な指導や援助を行うガイダンスと、個々の児童の多様な実態を踏まえ、一人一人が抱える課題に個別に対応した指導を行うカウンセリングの双方により、児童の発達を支援すること。
②児童理解を深め、学習指導と関連付けながら、生徒指導の充実を図ること。
③学習内容を人生や社会の在り方と結び付けて深く理解し、これからの時代に求められる資質・能力を身に付けるために、学習の質を一層高める授業改善の取組を活性化していくことが必要です。

以上のような指導・支援を行うことで、小学生が自己表現力や問題解決能力を身に付けることができます。

おお、まるで学習指導要領を完全に読み込んでいるようなお堅いがきちんとした回答(当たり前)。やりますな。
次は少し具体を聞いてみますか。

Q. 小学校4年生の理科で、学びに向かう力を養うにはどのような授業・学習が必要でしょうか?

小学校4年生の理科において、学びに向かう力を養うためには、根拠のある予想や仮説を発想する力を育成することが重要です。具体的には、既習の内容や生活経験を基に、問題解決のための予想や仮説を立てる授業や学習を行うことが有効です。また、観察や実験を通じて、予想や仮説の検証を行い、結果を整理し、結論を導き出す問題解決の過程を通じて、問題解決の力を育成することも重要です。小学校理科では、第4学年では、主に既習の内容や生活経験を基に、根拠のある予想や仮説を発想する力が育成されることが示されています。以上のような授業や学習を通じて、学びに向かう力を養うことができます。

これまた見事に学習指導要領に沿った回答をしてくれている感じ。
妻は小学校の理科専なのですが、彼女の授業設計のポリシーとほぼ同じような感じ。まあ大元が指導要領なので当然と言えば当然ですが。

少しひねった質問にも答えてくれる

Q. ChatGPT使っているとファクトチェックの重要性を感じています。ファクトチェックをしていくことってどの学年で学ぶの?どうやって学ぶの?

小学校の学習指導要領によると、ファクトチェックに関する具体的な記述はありません。しかし、情報の正確性や信頼性を判断する力を養うことは、情報教育の一環として重要な要素とされています。
具体的には、情報を収集する際に、信頼できる情報源を選ぶことや、複数の情報源を比較することで、情報の正確性や信頼性を判断する力を養うことが求められます。
また、情報教育の一環として、情報の収集や扱い方についての基本的な知識やスキルを身につけることも重要です。例えば、インターネットの利用方法や、情報を整理する方法などが挙げられます。
以上のように、小学校の学習指導要領では、ファクトチェックについて直接的には触れられていませんが、情報の正確性や信頼性を判断する力を養うことが求められています。

学習指導要領に記載がない内容も意味を理解し、適切と思われる部分を抽出して回答してくれます。これはすごい。

Q. 「美」とは何かを教えることはできるものでしょうか?

はい、学習指導要領(小学校)によると、豊かな感性を養うためには、身近な環境と十分に関わる中で美しいものや優れたもの、心を動かす出来事などに出会い、そこから得た感動を他の幼児や教師と共有し、様々に表現することが大切です。また、自然の中にある音、形、色などに気付くようにすることも重要です。幼児の自己表現は素朴な形で行われることが多いため、教師はそのような表現を受容し、見方や感じ方を広げることが必要です。身近な環境の中に見られる造形的な美しさなどを感じ取り、美術の働きについて考えることで、見方や感じ方を深めることができます。以上のような指導を通じて、美しいと感じることを教えることができます。

むーん。「美を指導する」なんて直観的に抵抗があったのですが、感じたことを共有すること、存在や特徴そのものに気づくことが大切だ、と。先生はそれが素朴なものであってもしっかり受容すること。そして感じ取った美しさから美術の働きを知り、考えることで深められる。
美術や図画工作以外でも、例えば算数とか社会でも、そして自分の今の仕事でも、置き換えれば美を感じとれるような表現です。これはタメになった。

Q. 私の娘は小学校6年生です。最近、反抗期なのか言うことを聞きません。どのように接すると良いのでしょうか?

学校教育においては、児童同士や児童と教師が互いの考えや意見を交流し合う機会を設定し、異なる考えや意見を大切にすることが大切です。また、第5学年及び第6学年では、自分のものの見方や考え方についての認識が深まることから、相手のものの見方、考え方との違いをそれまで以上に意識するようになります。そのため、娘さんが反抗期に入っているのであれば、彼女の考えや意見を尊重し、彼女自身が自分の考えを表現できる場を提供することが大切です。また、娘さんが何かを言いたがっている場合には、彼女の話を聞いてあげることも大切です。ただし、娘さんが危険な行動をとっている場合には、適切な指導を行う必要があります。

ぐぅ、唐突な人生相談にも学習指導要領を引用しつつ、そこから保護者への助言を導き出すとは。ある意味で、学習指導要領って本当にすごいものなんだな、と妙に実感しちゃいます。これをつくりあげてきた先人に感謝。

Q. 指導要領テキストが「風とゴムの力の働き」の場合、学習指導要領コードは「8260233120000000」です。では指導要領テキストが「光と音の性質」の場合、学習指導要領コードは何になりますか?

「4400233120000000」になります。

本当は例題とかから学習指導要領コードを類推させたかったのですが、コードとテキストがうまくインデックス化できていないようで、機能していません。なので、折角コードを学習させたのですが、これぐらいクローズドな質問でないと機能しませんでした。プロンプト(質問)設計の問題の可能性もありますが、もう少しインプットを調整しないとダメそうです。
ただ、その辺も時間かけてうまく調整すれば、色々使えそうな気配です。

Q. 遠足の際に、バナナはおやつに入りますか?

学習指導要領(小学校)によると、食事調査など児童の家庭の食事を取り上げる場合は、プライバシーに十分配慮することが大切です。しかし、バナナがおやつに入るかどうかについては、学習指導要領には明確な記載はありません。
ただし、児童がその場の状況を捉え、危険を予測して行動できるようにすることが大切であるとされています。つまり、遠足の際には、バナナが腐りやすいため、持ち運びには注意が必要であることや、食べ物を持ち寄る場合は、アレルギーなどにも十分に配慮する必要があることを児童に教えることが望まれます。
また、物の使い方や人々との接し方を児童自身が身に付けるようにしていくことが望まれるとされています。つまり、遠足の際には、バナナを食べる際のマナーや、周りの人々とのコミュニケーションの大切さなども教えることが望まれます。
以上のように、遠足の際にバナナがおやつに入るかどうかについては、学習指導要領には明確な記載はありませんが、児童が安全に過ごせるように注意を促すことが大切であると言えます。

いや、マジでごめん。無理せず「それは私には分かりません」でも良かったのに…。でも気を使って答えてくれてありがとう。今まで一番長文だったので、苦労かけちゃったよね。ほんとゴメン。

おわりに。行政文書も新しいコミュニケーション体験を。

一旦、お遊びはこれぐらいで。皆さんも時間があれば「学習指導要領何でも回答くん」に問いかけてみてください。

色々聞いてみて、学習指導要領が学校教育分野での知の結集だと改めて実感できました。途中でも書きましたが、まさに先人が積み上げてきたもの。これが元になっていることで、日本の学校教育が維持できているのだと感じます。感謝。

学習指導要領って、小学校版だけでも解説入れると3000頁以上あります。なかなか背景知識が無いと読みづらいのですが、こういう形にすることでれば誰でもつまみ食い的に触れることができるのでは、と感じました。
行政文書って経験がないと読み辛いですが、こういうコミュニケーション体験にすることで、もっと皆さんに伝わるものになるのでは、と思った次第です。(実はこれを伝えることが今回の一番の狙いだったりします)

私は仕事柄、行政文書や法令等、技術的な資料なども読み込む機会が多くあります。私は正直、かなり慣れていることと、そういう文書が嫌いではないので、読み込むことも辛くありません。
ただ、そうじゃない人も多いはずです。なので、とっつきにくいけど本当は大事なものを、皆さんにも届くようにしたくてnoteを書くことが多いです。
でも、本当は原文のままでも、もっと必要と思っている人に読みやすい体験にできたら、と思っています。

もっと言えば、認知特性として言語優位な人向けに社会システムが作られていて、それが「誰もが自分らしく生きられない」要因になっていると感じています。自分は生き辛くないけど、そうでない人もいるはず。
誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化を。」ってそういうことなんじゃないかと思っています。

そういったところを1つずつ、変えていけたらと思っています。

まず自分にとっては「学び」から。なので「誰もが自分らしく学べる社会」をビジョンに掲げ、それを行動原理にしています。
※前々回、そんなこと書いていましたね

最後、少し横道に逸れて自分語りして恥ずかしい感じですが、、

次回は前回宣言通り、全体アーキテクチャの解説①とかにしようかと思います。多分、解説するべき量が多いはずなので(何せ20の文書から全体アーキ描いているので)、1回じゃ終わらなそう。
できるだけ短く、分かりやすくなるようチャレンジしてみますね。

ではまた!


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