kmizuの日記

プログラミングや形式言語に関係のあることを書いたり書かなかったり。

株式会社ドワンゴを退職します

はじめに

当初、ScalaMatsuri 2019が終わった次の日の、6月30日に書く予定だったのですが、最終出社日も終わっていることだしよいかということで、エントリを書くことにします。 2019年6月30日をもって、5年と3か月勤めた株式会社ドワンゴを退職します。最終出社日は6月26日でした。

これまで2回転職してきましたが、ドワンゴに居た期間が最長です(なお、5年で最長でというのに違和感感じる人もいるかもですが、博士卒で就職したので、まあそんなもんかと思っています)。

何やってたの

1年目こそプロダクト開発に携わっていたものの、2年目以降は、

  • Scala研修テキストの執筆やメンテナンス
  • 新入社員研修の中のScala研修講師
  • ドワンゴ社員として各種イベントやカンファレンスで発表
  • 論文の査読や情報処理学会関連のイベント(主にPRO(プログラミング研究会))への参加
  • 自分主催の勉強会(テーマは気分によってころころ変わっていましたが)
  • 国内Scalaコミュニティへの貢献(できていたかは自信がありませんが)
  • その他色々

という感じで、あまりプロダクトコードを書いていると胸を張って言えるものではなかったです。

おそらく、当時の自分では、他の会社でこういった雑多な行為が業務として認められることはおそらく稀だと思うので、これはとても幸運でした。理由としては、当初から、ある程度そういった採用につなげる(広報や宣伝)役割を期待されていた、というのが大きかったというのがあります。一方で、しばしば体調を崩すことのある私への配慮という面もあったのではないか、と感じています。副業で(ドワンゴでは申請すれば副業(兼業)が許可されています)なにがしかを書いていることはありましたが。実際のところ、この役割(採用につなげる)についてはあまり定量化できてはいなかったのですが、私がいるということが入社の動機の一つになった人は思ったより居たようだ、というのを最近になって実感しています。

最近はかなりよくなったとはいえ、体調を崩すことがしばしばあった私が勤務できたのは、ひとえにドワンゴの環境と、特に所属部署の上長の柔軟な対応があってこそだと思います。とても感謝しています。

退職理由

人間関係が悪かったわけでもなく、問題行動を起こしたわけでもなく、評価が下がったわけでもなく、モチベーションが下がったわけでもなく、上司と折り合いが悪かったわけでもなく、体調が悪くなったわけでもなく、…と書けば、想像はつくかと思いますが、ドワンゴ「自体」を取り巻く環境の変化によるものです(その辺はなんとなく察していただければ)。

ただ、これは副要因というか後付けなのですが、一人のエンジニアとして、ドワンゴに入社して2年目以降、プロダクト開発から多少距離ができていたことに後ろめたさがついてまわっていました。簡単にいうと、「俺はなんだかんだ勉強会でたいそうなことをいっているけど、自分はどれだけプロダクトコードを書いているのだい?」という自分の中での葛藤です(ドワンゴの前は普通以上にはプロダクト開発に関わっていましたが)。もちろん、途中のどこかで、開発メインのチームに復帰するという道はあったかと思いますが、私がすでにそれなりに対外的な知名度が上がってしまった(らしい)のと、体調を崩して迷惑をかけたら、という懸念があり、動きづらく感じていた、ということはあります。。これは、上長が悪い、とかいう話ではなくて、基本的には自分の問題だと認識しています。むしろ、上長はとても配慮してくれていました。

主要因に加えて、そういった副要因もあり、転職を決意することにしました。

転職先

次の職場は既に決まっており、7月1日から、株式会社オプトさんでエンジニアとして働くことになっております。

https://opt-technologies.jp/

引き続き、Scalaコミュニティへの貢献は続けていきますし、所属会社のアピールという、これまでドワンゴで担っていた役割も担うと思いますが、Scalaにとらわれず、教育やこれまで避けてきた技術の習得、マネジメントについても積極的に挑戦してみたいと考えています。エンジニアでありたいという願望は強いので、再び普通にプロダクト開発にも携わると思います。ただ、同時に、私は研究への思い入れがとても強く(そのため、博士号を取った後は査読付き論文を一本も執筆していないにも関わらず、ICFPに参加したり、PROに参加したり、論文査読を引き受けたり、学会の運営委員を引き受けたりしていました)、そろそろ色々温めていたアイデアを論文としてアウトプットすることを考えているところです。この両立がどこまでうまくいくかどうかは入社してみないとわかりませんが、基本的には楽観視しています。

最後に

5年と3か月、ドワンゴには大変お世話になりました。ありがとうございます。ドワンゴにまだ残っているエンジニアの友人たちとも交流を続けたいと思っています。

おまけ

いい機会なので、主にこれから学んでみたいことやあまり学んでこなかった事に関する本をウィッシュリストにしてみました。もしよければお祝いください。

https://www.amazon.jp/hz/wishlist/ls/2W4BD3FUNVD4H?ref_=wl_share

これから、また会う機会の会う人も多いかと思いますが、これからもよろしくお願いします。