出光興産、1カ月ぶり安値 原油安で赤字に(銘柄診断)
22日の東京株式市場で出光興産が大幅続落し、一時前日比148円(6%)安の2233円と約1カ月ぶり安値を付けた。原油安などの影響で2020年3月期は最終赤字に転じると前日に発表しており、機関投資家の売りが膨らんだ。終値は126円(5%)安の2255円だった。
21日の取引時間終了後に、20年3月期の連結最終損益が250億円の赤字になったようだと発表した。従来予想(1000億円の黒字)から1250億円下方修正した。原油安で在庫評価損が拡大したほか、石油製品の利幅が大幅に縮小したためだ。
新型コロナウイルスの感染拡大で原油価格は歴史的な安値に急落。20日にはニューヨーク原油先物市場で史上初めて期近物の価格がマイナスとなった。
資源関連株には原油安の長期化を懸念した売りが続く。昨年末に比べ出光興産が26%、JXTGホールディングスは27%、国際石油開発帝石は46%安に沈む。資源関連株でも多くの油田権益を所有している銘柄ほど下げ幅が大きい。
出光興産のPBR(株価純資産倍率)は0.53倍と東証1部平均の1.02倍を大幅に下回る。予想配当利回りも7%台と割安感が出ている。「業績を確認できたので、打診買いが入り始めている」(国内証券)との声もあった。
新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2023年5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。
-
【よく読まれている記事】
- 新型コロナウイルスは体内にいつまで残るのか
- 「コロナに決してかからない人」はいるのか?
関連企業・業界