菅首相、任命拒否「私が判断 変更しない」 学術会議問題で初論戦

2020年10月28日 19時17分
衆院本会議で代表質問に答弁する菅首相

衆院本会議で代表質問に答弁する菅首相

 菅義偉首相の所信表明演説に対する各党代表質問が28日、衆院本会議で始まった。菅首相は、日本学術会議の会員候補6人の任命拒否問題につい「民間出身者や若手が少なく、出身や大学にも偏りが見られることを踏まえ、多様性が大事だという前提に私が任命権者として判断した。今回の任命について、変更するということは考えていない」と述べた。
 6人を拒否した理由については「個々人の任命の理由については、人事に関することでお答えを差し控える」と説明を拒んだ。立憲民主党の泉健太郎政調会長の質問に対する答弁。
 これに先立ち、同党の枝野幸男代表は質問で、学術会議法7条2項は「推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する」と明記しており、任命拒否は「明らかに違法だ」と追及した。
 これに対し、菅首相は「憲法第15条第1項は公務員の選定は国民固有の権利と規定している」とし、「日本学術会議の会員についても必ず推薦の通りに任命しなければならないわけではないという点については、内閣法制局の了解を得た政府としての一環した考え」と述べ、違法との指摘を否定した。(デジタル編集部・鷲野史彦、三輪喜人)

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