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ウクライナ侵攻

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から2年。長期化する戦闘、大きく変化した国際社会の行方は……。

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煮え切らない「民主主義の大国」インド 密接な関係のロシア批判避け

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国連安全保障理事会で発言するインドのティルムルティ国連大使=ニューヨークの国連本部で2022年2月28日、AP
国連安全保障理事会で発言するインドのティルムルティ国連大使=ニューヨークの国連本部で2022年2月28日、AP

 「世界最大の民主主義国」を自任するインドが、ウクライナに侵攻したロシアへの非難を避けている。国連ではロシアを批判する決議案の採決で中国などと共に棄権し、国際社会の足並みの乱れを招いた。インドはなぜ、煮え切らない態度を続けるのか。

 「インドは国際社会による即時停戦の要求を支持し、主権と領土の一体性を尊重するための貢献を促す」。インドのティルムルティ国連大使は2日、国連総会の緊急会合でウクライナでの戦闘停止を求めた。一方で「全体の状況を鑑みる」とも指摘。ロシア軍の完全撤退などを要求する決議案の採決を棄権した。この整合性を欠いた対応は、インドが置かれた難しい立場を物語っている。

 インドは1947年の独立から「非同盟」を掲げたが、隣国の中国やパキスタンとの対立を背景に、71年にソ連と軍事面などで連携する平和友好協力条約を締結。印露は事実上の同盟国とも表現される密接な関係になった。インドにとってロシアは今も重要な武器の供給国で、インド軍が使う武器などの6割程度は旧ソ連製かロシア製とされる。

 冷戦中はソ連のアフガニスタン侵攻(79年)に反対できないなど、外交の自主性を奪われた側面もあった。このためインドは近年、全方位的な外交を重視してきた。米国や日本との関係を強化しつつ、…

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