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アイ・オー・データ、VPNボックス「テレワークテルLite」発売。SoftEther VPNがベースの独自方式「ZeroIP接続」を採用

在宅ワーク社員などの社内ネットワーク接続用途を想定

「テレワークテルLite」(MPC-LVZ2/TWTLシリーズ)

 株式会社アイ・オー・データ機器は、テレワーク時に自宅など社外から社内ネットワークに接続することを想定したVPNサーバー「テレワークテルLite」(MPC-LVZ2/TWTLシリーズ)を9月中旬に発売する。オープンプライスで、想定売価は20万2000円(税別)。

 社内のルーターやファイアウォールの設定を変更しなくても設置できるのが特徴。また、クライアントのインストールや設定はUSBメモリを使って行うため、VPNサーバーのIPアドレス、ID・パスワードなどを入力する必要はない。

会社のネットワーク内に「テレワークテルLite」を設置することで、自宅など外部から会社のネットワークに接続できる

 クライアントのセットアップは、1)添付されているUSBメモリをテレワークテルLite本体に接続して設定情報を保存、2)USBメモリに保存されたクライアントソフト「テレワークテル」をクライアントPCにインストールして設定を読み込む、3)自宅など社外のPCにてテレワークテルを起動する――という手順。

 VPNプロトコルは、「SoftEther VPN」をベースにアイ・オー・データが開発した「ZeroIP接続」を採用。ZeroIP接続では、プロトコルだけではなく、「特別に許可した端末を含めてトータルにセキュアなネットワーク環境を構築する」という。

 具体的には、登録されたPC以外は接続できない「ハードウェア限定接続」、テレワークテルLite本体に接続したUSBメモリからアプリをインストールしないと接続できない「設定用USBキー」、端末の紛失・盗難時に該当PCの接続を無効化できる「ホワイトリスト」といった機能がある。

 また、通常のVPN接続では、広く公開されているウェブサイトを閲覧する場合、トラフィックは社内ネットワークを経由しないことが多い。これにより社内のUTMを通らないため、セキュリティが低下する。しかし、ZeroIP接続ではトラフィックが社内のUTMを通るため、社内と同じセキュリティが保たれるとしている。

(左)通常のVPN接続では、広く公開されているウェブサイトを閲覧する際のトラフィックは社内ネットワークを経由しないため、UTMを通らない。(右)ZeroIP接続では、トラフィックが社内ネットワークを経由するためUTMを通る

 クライアントの対応OSは、Windows 10 November 2021 Update(バージョン21H2)/May 2021 Update(バージョン21H1)/October 2020 Update(バージョン20H2)/May 2020 Update(バージョン2004)。テレワークテルLiteに同時接続するPCは、10台までが推奨されている。

 テレワークテルLite本体の大きさは約132×118×56mm(幅×奥行×高さ、ゴム足含む)、重さは約640g。有線LANポートは1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-Tに対応している。CPUはIntel Pentium Silver N5030、OSはWindows 10 IoT Enterprise 2019 LTSC、メモリはSO-DIMM DDR4の4GB、ストレージはeMMC 64GBとなっている。また、VESAマウンターが付属しているため、ディスプレイの背面などに固定できる。

VESAマウンター。ディスプレイの背面などに固定できる