JR 新「長崎駅」開業 高架化、踏切4カ所廃止 長崎-浦上両駅 新型コロナで式典で中止

新しい長崎駅を出発する始発の普通列車(左)=28日午前5時47分、長崎市尾上町

 長崎市中心部の長崎、浦上両駅を含むJR長崎線が28日、高架化し開業した。国際観光都市の玄関口として生まれ変わった長崎駅(尾上町)は、交流人口拡大に向け一層の活用が期待されている。ただ、新型コロナウイルス感染拡大の余波で開業記念式典は中止となり、やや寂しい“出発”となった。
 2022年度に九州新幹線長崎ルートが暫定開業する長崎駅の周辺では、今後もMICE(コンベンション)施設、高級ホテル、大型商業施設の開業が続き、市中心部の姿は大きく変わる。人口流出が著しい県都が求心力を取り戻す好機を迎えている。
 県は連続立体交差事業として09年度着工し、松山町-尾上町の在来線約2.5キロを高架化。市街地を分断する形で交通渋滞や事故を招いていた踏切4カ所(幸町、宝町、梁川橋、竹岩橋)を廃止した。
 事業費は約529億円(うち長崎駅舎約70億円、浦上駅舎約5億円)で、JR九州負担分(全体の7%)以外については国が55%を補助し、残りを県と同市が折半。延べ床面積は長崎駅が約3300平方メートル、浦上駅が約800平方メートル。どちらも1階に改札口、2階にホームがある。
 同事業は21年度までに、線路跡に市道を整備し完了予定。旧長崎駅舎も取り壊され、東口駅前広場となる。新しい長崎駅舎には、22年度に新幹線ホームと高架下の商業施設が開業する。

 


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