飲酒運転は無罪、でも既に免許取り消し 制度の「ねじれ」とは?

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飲酒運転の罪に問われ、無罪が確定したが、免許の取り消し処分は覆されず、男性は運転免許を再取得した=福岡市中央区で2024年2月26日午後3時45分、志村一也撮影
飲酒運転の罪に問われ、無罪が確定したが、免許の取り消し処分は覆されず、男性は運転免許を再取得した=福岡市中央区で2024年2月26日午後3時45分、志村一也撮影

 飲酒運転で逮捕・起訴された末、無罪を勝ち取った。だが、その時には既に運転免許は取り消されていた――。福岡市の清掃業の男性(42)が事実誤認に基づく違法な免許取り消し処分を受けたとして、福岡県を相手取った訴訟を闘っている。刑事裁判で無罪は確定したが、免許を失ったことで、それまでの仕事を続けられなくなり、収入は半分以下に落ち込んだ。男性は「刑事裁判の結論が出るまで免許取り消しなどの処分はすべきではない」と現行制度に疑問を投げかける。

 「ガサ(家宅捜索)打つけん」。2020年3月2日早朝、出勤しようと自宅駐車場に出たところで突然、福岡県警の捜査員に呼び止められた。家宅捜索が終わると、車に乗せられて酒気帯び運転の疑いで逮捕された。

 その約1カ月半前の20年1月19日未明、男性は福岡県大野城市で飲酒運転を疑われ、警察官から職務質問された。何かに衝突したのか、フロントバンパーがへこんだ普通乗用車が路上に止まっており、男性がその車の近くに酒気を帯びた状態でいたためだ。

 男性はこの日、…

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