NHK、「政治マガジン」など6サイト更新停止へ 新サービスを検討

宮田裕介 滝沢文那
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 「政治マガジン」「事件記者取材note」など、NHKがインターネット上で展開する6サイトが29日に情報の更新を停止する。関係者への取材でわかった。6サイトは、放送以外の独自情報を配信していた。NHKのネット業務が法改正で義務化されれば、「番組に密接なもの」など提供範囲が絞られるため、4月以降は、義務化を見越したネットサービスの提供に切り替えるという。

 NHK関係者によると、停止するのは「政治マガジン」「事件記者取材note」「国際ニュースナビ」「サクサク経済Q&A」「サイカル」「アスリート×ことば」。6サイトは、番組の内容を超える情報量の文字ニュースなどで、放送の理解を増進する情報として無料で発信していた。更新停止のお知らせを各サイト上で示す予定で、停止後も記事などは閲覧できるという。

 NHKのネット業務を巡っては、放送と同等の「必須業務」に格上げすることを定めた改正放送法案が今国会で成立すれば、2025年春以降に必須化される見通し。その際、義務づけられるサービスは、放送番組の同時・見逃し配信と、文字ニュースなどの「番組関連情報」となる。

 このうち、番組関連情報は、災害などの緊急情報を除き、「放送番組と密接な関連があり、番組の編集上必要な資料」と定義され、独自コンテンツは出せない。番組関連情報の具体的な内容は、NHKが原案を作り、第三者機関が民間メディアとの競争を妨げるかどうか評価して決める方向だ。関係者によると、4月以降、6サイトの停止と入れ替わる形で、必須化を見据え、放送と連動した新しいネットサービスを提供する方向で調整しているという。

 サイトの停止でサービス低下を懸念する声があるが、あるNHK幹部は「放送と同一の受益にかなうコンテンツを出す予定でいるので、ネットサービスの縮小にはならない」と強調する。

 NHK広報局は朝日新聞の取材に「個別のサービス内容については、常に見直しを行っており、都度、利用者の皆様にお伝えしていく」とコメントしている。宮田裕介、滝沢文那)

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