Webサイト制作業とカフェ経営で起業

Webサイト制作という仕事の存在はパソコン通信で知った

Webサイト制作事業の傍ら、西天満で『Cafe R』を経営する株式会社5DGの代表取締役・瀬口理恵氏。メイン事業のWebサイト制作では、エステサロンやヘアサロンといった女性向けサイトを中心に制作している。
「はじめてパソコンに触ったのが15歳の中学生だった頃。授業の中で、生まれて初めてインターネットの世界にも触れました。その時、今まで友達や雑誌から知る情報がパソコンから無限に入手できる現実に衝撃を受けたんです」

両親から『高校受験に合格すればパソコンを買ってあげる』という約束を取り付けて受験勉強に励み見事に合格。買ってもらったパソコンでインターネットに接続し、当時流行していた自分のホームページを作るのが趣味だった。
「まだSNSなんて言葉が存在しない時代。ネット掲示板やICQで知らない人とコミュニケーションするのが楽しくて。ホームページ制作を仕事にできることを教えてくれたのも、パソコン通信を通じて知り合った見ず知らずの人です（笑）」

Webサイト制作を仕事にするべく、大学ではなく専門学校への進学を選択。卒業後は複数の企業でWeb制作の経験を積んだ後、フリーランスとして独立した。
「正社員、派遣社員、アルバイトなど、さまざまな立場でWeb制作の仕事に携わってきましたが、最後に選択したフリーランスの立場が一番自分に向いていると思います」

ひょんな出会いから念願のカフェオーナーに

8年間フリーランスとしてWeb制作に取り組み、2019年1月に法人化を決めた理由は何だったのか。
「以前から『もっと大きな仕事をしたい』や『現状を打破したい』という想いがあり、その実現手段として検討はしていました。そんな時、タイミング良くあるビルオーナーから『カフェをやってみないか？』という話をいただいて。即答でチャレンジすると決めたものの、カフェ運営は仕入れやスタッフを雇う必要が出てきますから、この際法人化しようと決めました」

FirstStepや中央会計を知ったのは、個人事業主になって間もない頃。『IT飲み会』でスタッフと知り合ったという。
「その後、中央会計関連のWebサイトを複数制作し、自分が法人化する時はサポートしてもらおうと決めていました」

日常の経理業務などを中央会計に依頼し、どんなメリットを感じているのだろうか。
「最大のメリットはチャットワークでのやり取り。電話やメールよりも断然レスポンスが早いし、なにより負担が軽い。指示や提案も、ITに強い中央会計と言われるだけあって的確ですよ」

続いて仕事をする上で大切にしていることを聞くと、『プラスワンの提案』という答えが。
「Web制作にはクライアント様がいて、『こういうサイトを作りたい』という思いを形にするのが基本。だからこそ、言われた指示の通りにそのまんま作るだけじゃ意味がない。『プラスワン』の付加価値を付けることを常に意識しています。また、正しくないことは『こうした方が良い』と提案できる自信と心構えも大切ですね」

表現方法はデジタルだが、大切なのはアナログの部分

現在、専門学校講師としても活躍する瀬口氏によると、Webを学ぶ専門学校生の中には起業をめざす人が多いらしく、起業をめざすなら『競合が多いWeb業界で仕事を得られる人と得られない人の差』を考えてほしい、と語る。
「Web制作はものづくりですから、人間力やコミュニケーション力がモノをいう。表現方法はデジタルですが、本当に大切な部分はアナログなんです。加えて、自ら積極的に学ぶ姿勢。これらが備わっていないと、Webを仕事として独立するのは困難を極めるでしょう」

2019年6月にオープンした『Cafe R』は、瀬口氏が抱いていた夢のひとつでもあった。
「いつかカフェをやりたいと思ってはいましたが、それはずっと先の未来のつもりでした。なのに、突然『やりませんか？』と話をいただいたので、気がついたら『はい、やります！』と即答していました（笑）」

カフェの運営は始まったばかりで試行錯誤の連続だが、少しずつ方向性も定まってきた。
「今後は『私が食べたいもの、飲みたいものを出す店』をコンセプトに、飲食店のセオリーを無視した店にしていきますよ（笑）」

本業のWeb制作もさらなるチャレンジを志向する。
「法人化したことで仕事の幅は確実に広がっています。夢だったカフェ運営を始めてみて感じたのは、自分はやはり制作の仕事が好きだということ。これからもずっと制作の最前線に居続けることをめざします」