2021.07.28
# 東芝 # 週刊現代 # 日本株

東芝はもう「終わり」かもしれない…出資者が明かした「これから起こること」

はたして、切り売りされるのだろうか?

なぜ俺がクビなんだ

「今後の東芝については、私は何もお話しできる立場にありません。しかし、あの調査報告書については、調査の過程からして問題だと感じていた。承服できない部分があります」

東京・港区の自宅を訪ねた『週刊現代』記者にこう語ったのは、永山治氏(74歳)。6月25日に行われた東芝の株主総会で、取締役会議長への再任を否決され、社外取締役から放逐されて2日後のことだ。

口ぶりには、わずかな怒気と諦念がこもっていた。

この3ヵ月というもの、東芝は激震に見舞われている。

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発端は、英ファンドCVCによる買収提案だった。かつてCVC日本法人の会長を務めた東芝前社長・車谷暢昭氏が裏で絵図を描いたのではないかと疑われ、4月14日に電撃辞任した。

永山氏はCVCの提案書を机に叩きつけ、車谷氏に「これはあなたが作ったのか」と詰め寄ったといわれる。

車谷氏の暴走を止めた永山氏を、新聞や経済メディアはまるで英雄のごとく扱った。だが今回、彼は株主によってあっさりとクビを飛ばされた。

永山氏が続ける。

 

「そもそも、私はアクティビスト(いわゆる『物言う株主』)を排除したかったわけではない。CVCの(買収提案の)件も、まだ正式なオファーも来ていない段階でしたから、検討すらできていなかった。

話し合いたくもないとか、敵対するとか、そういうつもりはありませんでした」

結局は永山氏も、生殺与奪の権を海外のアクティビスト・ファンド―つまり「ハゲタカ」たちに握られた、ネズミの一匹に過ぎなかったのだ。

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