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平成の日本政・官界を取材してきた伊藤智永専門編集委員が担当するコラム。

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政界七光り族の反抗=伊藤智永

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国会内を歩く自民党の小渕優子選対委員長=東京都千代田区で2024年1月26日午前11時18分、竹内幹撮影
国会内を歩く自民党の小渕優子選対委員長=東京都千代田区で2024年1月26日午前11時18分、竹内幹撮影

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 自民党の派閥「解消」が、妙な雲行きになってきた。解散を決めた安倍派(清和政策研究会)では、福田達夫元総務会長が新グループ設立を予告。解散するか迷う茂木派(平成研究会)からは、小渕優子選対委員長らが相次ぎ脱会し、「いずれ小渕グループに結集か」との観測しきりである。

 福田氏は、派閥創始者・福田赳夫元首相の孫。小渕氏も、経世会(竹下派)から平成研に改称した時の会長、小渕恵三元首相の娘。「創業家の坊ちゃま、お嬢さま」が、汚れやしがらみのこびり付いた老舗を畳み、由緒正しい血統継承者として、新ブランドで出直す派閥「再編」というわけだ。もちろん首相をめざすため。

 政治資金の裏金汚染は、岸田文雄首相の号令で派閥解消論にすり替わり、派閥リーダーの世代交代へずれてきた。若返りというより家督返還、お家再興。芸事の家元みたいな理屈が、いまだ政界では臆面もなくまかり通る。

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