「女は政治は無理」という掲示物が16日、沖縄市や名護市など衆院3区内に大量に張り出された。同時に補選が行われている大阪12区は4候補いずれも男性だが、沖縄は屋良朝博氏(56)と島尻安伊子氏(54)が立候補し、熱い戦いを繰り広げている。そんな中、出所が不明な印刷物の張り出しは選挙戦に水を差している。

 屋良選対の平良昭一本部長は「女性を蔑視する内容だ」とコメントを出した。島尻氏は沖縄市で開いた総決起大会のあいさつで「許せない」と憤った。

 衆院3区補選は、2018年5月に国内の議員選挙で男女の候補者数ができる限り均等になるよう目指すことなどを基本原則とした「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」が施行されてから初めての国政選挙だ。法律は民主主義の確立のためには、男女の違いから生まれる互いの長所を生かすことが必要として制定された。

 県選挙管理委員会は12日に、21日投開票の衆院3区補選で違法と認められるポスターやのぼり、横断幕など673件の撤去を命じる文書を出した。「女は政治は無理」とするポスターは県選管の命令後に貼られたという。