詐欺プログラム開発、FBIに追われた17歳 世界で被害起こすまで

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バンジャルバル=半田尚子 /取材協力=リズキ・アクバル・ハサン
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 日本とインドネシア両国の警察による国際共同捜査で、クレジットカード犯罪の一端が摘発された。容疑者は不正なプログラムを使って、他人のカード情報を抜き取った。このプログラムの被害は、世界70カ国で12億円を超す。米連邦捜査局(FBI)も迫った生みの親は、インドネシアに暮らす当時17歳の少年だった。

 カリマンタン(ボルネオ島)南部のバンジャルバル。赤道直下の日差しが、建物に遮られることなく降り注ぐ。この街に暮らす「元少年」の自宅を訪ねた。

 リスワンダ・ヌール・サプートラ受刑者(23)は2021年11月、電子情報が本物に見えるよう操作した疑いなどでインドネシア国家警察に逮捕された。翌年に高裁判決が確定し、懲役2年6カ月と罰金5億ルピア(約470万円)の実刑判決を受けた。

 記者との面会は4月16日。2日前に仮釈放されたばかりだった。

 捜査員も担当弁護士も、「天才」と口をそろえる人物。痩身(そうしん)で顔立ちに幼さが残る。表情には刑務所生活の疲れがにじんでいるようだった。

「挑戦状をつきつけられた気がした」あるメッセージ

 父親は地元の役場で働く公務…

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この記事を書いた人
半田尚子
ジャカルタ支局長
専門・関心分野
東南アジア、グローバルサウス、平和