千葉市・千葉大、ゾゾと街づくりで連携
千葉市と千葉大学、衣料品通販サイト運営のZOZO(ゾゾ)は街づくりなどで連携する。同社が千葉大の西千葉キャンパス近くに新たなオフィスを設けるのに合わせ、幅広い分野で協力する。千葉大は同社とインターンシップなどの人材交流も進める。千葉市がIT(情報技術)やファッションに関連した企業と連携協定を結ぶのは初めて。
13日付でゾゾが市、千葉大と個別に包括連携協定を結んだ。市と同大は2010年に連携協定を結んでおり、今回の協定で3者が連携できる枠組みが整った。熊谷俊人市長は同日、「3者が緊密に連携し、個性豊かな魅力あるまちづくりを進めていく」との談話を発表した。
ゾゾは20年末、千葉大がキャンパスを構える西千葉地区に新拠点を開設する。地上2階、地下1階で、木材を多く使った建物にする方針だ。どのような部署が入居するかは公表していないが、市や新拠点周辺の住民と連携した街づくりに取り組む考えを示しているという。市も「まずはここから取り組みを始める」(政策調整課)と歩調を合わせる姿勢だ。
同社は東京湾岸に面した幕張新都心の本社そばにある千葉マリンスタジアムの命名権を取得しているほか、千葉市民花火大会にも協賛している。内陸部の総武本線沿いに新拠点を設けることで、市内で地域活動に取り組む姿勢をアピールする。
千葉大の徳久剛史学長は「産官学が連携し、より効果的に地域社会の発展に寄与できる」と期待。学生のキャリア教育の一環として、ゾゾ社員を講師に迎えた講義などを想定する。学生をビジネスの現場に派遣するインターンシップ導入も検討するという。市も同社のビジネスモデルやノウハウを産業政策に役立てたい考えだ。
ただ、連携事業の詳細は今後詰めるため、3者連携の具体的なイメージは現時点ではみえにくい。ゾゾは運営する衣料品通販サイト「ゾゾタウン」から撤退する企業が相次ぎ、ビジネスモデルにもきしみがみられる。同社の本業の厳しさを増せば、3者連携に影響が及ぶ可能性もある。
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