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大阪歴史博物館で「水都大阪」特集 「漣」が重文指定後、大阪初披露

明治時代 浪花繁栄東堀鉄橋図 大阪歴史博物館蔵

明治時代 浪花繁栄東堀鉄橋図 大阪歴史博物館蔵

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 大阪歴史博物館(大阪市中央区大手前4)の8階特集展示室で7月10日、特集展示「『漣(さざなみ)』を生んだ風景-近代水都大阪を描く-」が始まった。

1932(昭和7)年  重要文化財「漣」 福田平八郎筆 大阪中之島美術館蔵

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 今年は淀川改良工事が竣工して110年目に当たるため、同館では絵画作品を通して水と密接に関わった大阪の町並みを紹介する。錦絵「浪花繁栄東堀鉄橋図」には、大阪最初の鉄橋「高麗橋」が描かれ、日傘を差しドレスを身にまとう人の姿や蒸気船も見受けられる一方で、ちょんまげ姿の人や屋形船も描かれている。学芸員の大澤研一さんは「江戸時代から明治時代への移り変わりを感じていただけたら」と話す。

 今回注目は、湖面にきらめく波を表現した「漣」。1932(昭和7)年に福田平八郎が40歳で描いた作品で、白金(プラチナ)の箔(はく)を押した画面に不定型な群青色の色面を配置することのみで仕上げていて、福田の作風の特徴をもっともよく示す作例とされている。2016(平成28)年の重要文化財に指定後、大阪で初披露となる。

 ほかには、大正時代に架橋された東横堀川の本町橋が描かれている油絵「橋のある風景」を展示。本町橋は現存していて、現役の橋としては大阪市内最古。昭和戦前期の大阪の姿を描いた水彩画「大阪風景画帖」は写実的に描かれ、大阪の水辺空間が多様かつ日常的な存在であったことを伝える。

 大澤さんは「かつての水辺空間を知ってもらうことによって、今をもう一度見つめ直して、大阪の水辺空間に親しみをもってほしい」と語る。

 開館時間は9時30分~17時。火曜休館。入場料は600円(中学生以下、大阪市在住の65歳以上(要証明証)、障がい者手帳持参者は無料)。8月19日まで。

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