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時代の風

各界の文化人が、それぞれの視点で混迷する時代を読み解きます。

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昭和の旧弊、一掃のとき 「東京一極」意識転換を=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員

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=丸山博撮影
=丸山博撮影

 激震と大事故で、正月気分は吹っ飛んだ。犠牲となられた方々へのお悔やみ、被害を受けられた皆さまへの連帯の思い、元日から救援に身をささげる方々への感謝と敬意を、冒頭に申し述べたい。その上で以下、昨年末に書いた原稿の掲載をお許し願いたい。

 数えれば「昭和99年」にあたる今年。まだ残る旧弊を一掃し、満100年をもって「昭和にサヨナラ」できないものだろうか。

 公共空間での喫煙や各種のハラスメントは、さすがに野放しにはされなくなった。多様性を認めず一律の行動を強いる、不祥事に際しまずは情報隠しに走る、といった昭和的な組織文化にもメスは入りつつある。だがなお残るのは「強い立場の者が、自ら改めるべきを改めようとせず、その傍らで弱い立場の者が、筋の通らない我慢を強いられる」という社会構造だろう。

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