わいろ、夜の接待…報告書が明かした五輪競技元会長の姿
この話はノンフィクションである。
1月末に公表された報告書は、映画で見るような夜の接待に加え、数々の不正を明らかにしている。
これまでも、数々のスポーツ団体で不祥事が出てきたが、今度の舞台はバイアスロンだ。
2018年4月にオーストリアとノルウェーの捜査当局がこの問題を捜査していることが明らかになり、国際バイアスロン連合(IBU)も独立第三者委員会に調査を委託した。同委員会は約60人の関係者から話を聞き、7万以上のデータを確認。そして、結論づけた。
「2008年~18年、IBUの上層部では、組織的な汚職と倫理に反する行為があった」
220ページの報告書から、不祥事の一部を紹介する。
疑惑①わいろを受け取る
疑惑②13個の時計
疑惑③元会長の横には若い女性の通訳
疑惑④夜の接待
疑惑⑤「狩猟」の旅行
疑惑⑥積極的にロシア開催応援
疑惑⑦違反疑いの選手を出場させた
疑惑⑧気づかないふり
バイアスロン スキーの距離と射撃を組み合わせた競技。北欧の猟師たちが弓を持ち、スキーをはいて野山を駆けめぐっていたものが競技に発展した。1960年のスコーバレーオリンピック(五輪)から正式競技になった。
疑惑①わいろを受け取る
報告書から見えたのは、IBU幹部とロシアとのずぶずぶの関係だ。幹部とは、元会長のアンデルス・ベッセベルグ氏(ノルウェー)と、元事務総長のニコル・レッシュ氏(ドイツ)。ともに18年に職を離れている。
1回につき、20万~30万米ドル(約2200万~3300万円)のわいろがロシア側から渡された。しかも、現金は税関などで調べられないように外交官用のケースに入れられて元会長に手渡されたとみられる。
モスクワにあったドーピング…
【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら