JASRACと音楽教室、主張激しく対立 2月判決へ

赤田康和
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 日本音楽著作権協会(JASRAC)が全国の音楽教室から指導時の楽曲演奏の料金を徴収する方針を決めたことに対し、ヤマハなど音楽教室を運営する事業者らがJASRACに請求権がないことの確認を求めた訴訟が13日、東京地裁で結審した。判決は来年2月28日。コンサートなどの発表の場でなく、教室内での練習・指導の演奏にも著作権が及ぶかについて初の司法判断になる。

 2017年2月に音楽教室から徴収する方針を決めたJASRACに対して、教室側が同年6月、JASRACに著作権使用料の請求権がないことを確認する訴えを起こした。

 著作権法は公衆に直接聞かせることを目的に楽曲を演奏したり歌ったりする「演奏権」を作曲家、作詞家が専有すると定める。

 教室側は「講師の演奏は楽器の弾き方の手本を示すため。生徒の演奏は技術をチェックしてもらうため。いずれも公衆に聞かせることが目的とはいえない」と主張。これに対し、JASRAC側は「生徒や講師の演奏も楽曲の商業利用であり、演奏を管理し利益を得ている教室には支払い義務がある」と反論してきた。JASRACは職員が約2年間、教室に「生徒」として通う潜入調査もした。

 法廷の外でも両者は激しく対立。教室側は徴収に反対する50万人超の署名を文化庁に提出したほか、史上初となる著作権等管理事業法に基づく文化庁長官裁定を申請し、司法判断が出るまでJASRACに徴収を始めさせないよう求めた。(赤田康和)

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